「そんな実情を、一人でも多くの人に知ってもらいたい」と、Ms.Sherri Davidoff 氏が、8月にラスベガスで行われたDefConコンファレンスにてプレゼンを行ったのが、「匿名で外出はもうできない - Death of Anonymous Travel」だ。彼女とのインタビューを交えて報告したい。
では、捜査当局による情報収集はどんなものがあるだろうか?まずあげられるのはFBIのDCSNet。1994年に制定されたCommunications Assistance for Law Enforcement Act(CALEA)により、電話会社はそのスイッチに、予めバックドアを設置する必要がある。そのバックドアを利用して、DCSNetは、スイッチ一つで任意の番号の電話を盗聴できるようになっている。捜査当局に向けたサービスでは、ThorpeGlen社のものがある。ThorpeGlenは、ターゲットになる人物の電子メール、電話、IPアドレス、MACアドレスやメタデータに、携帯のSIM、携帯電話などを含めた「全てのエレクトロニック・コミュニケーション」を追跡、モニタできる。特に、ターゲットの人物が携帯電話やSIMカードを交換した場合でも、Call Fingerprintingというテクノロジーによって追跡が可能だそうだ。