NPO 日本ネットワークセキュリティ協会(JNSA)は7月16日、我が国の情報セキュリティ市場の実態を定量的に把握し、分析した「平成20年度 情報セキュリティ市場調査報告書」を公表した。調査対象は、国内で情報セキュリティに関するツール、サービスなどの提供を事業として行っていると思われる事業者。期間は2008年11月〜2009年3月。アンケート回収数は140件(回収率約12%)。 概要によると、市場規模は、調査対象基準年度とした2007年度の実績(推定)値で、情報セキュリティツールが3,461億円、情報セキュリティサービスが3,386億円、合計6,847億円という結果となった。前年度に比べて、ツールが18.3%、サービスが11.1%、合計では14.7%市場は拡大した。内部統制を含むコンプライアンス対応、事業継続管理などの要請と、相次ぐ個人情報や機密情報の漏えい事件に対する危機感が、企業の情報セキュリティ対策を一層推進した結果と見られている。 今年度、2008年度の実績見込み値は、ツールが3,748億円(前年度比伸び率8.3%)、サービスが3,520億円(4.0%)の合計7,268億円(6.1%)となり、市場成長率は大幅に鈍化するものの、初めて7,000億円台を上回る市場規模に達するものと見込まれている。ただ、米国発の金融危機とそれに触発された世界同時不況の影響は大きく、さらにその影響は2009年度により顕著に表れてくる可能性が強いことから、2009年度の国内情報セキュリティ産業の売上高予測値は全体でマイナス5.4%、金額で6,874億円とほぼ2007年度並みに縮小すると予測されている。 http://www.jnsa.org/result/2008/surv/mkr/