8月上旬、BlackHat USAでプレゼンを行ったオランダのセキュリティ研究者のJeroen van Beek氏が、コンファレンスに参加した日本人のIC旅券のデータを読み出し、ブランクのICカードを使いクローンを作成するデモを披露した。これは、「日本のIC旅券はクローンを阻止する技術が搭載されていない」のが理由で可能となった。Beek氏によれば「日本のIC旅券には、データが偽造された場合、それと分かるような技術が搭載されている」が、「データの偽造があったことを出入国の際に確認する手段を講じている国は、世界で数カ国だけ」だそうだ。外務省の「IC旅券導入にあたって」には、「ICパスポートを導入すると、顔写真を貼り替えたとしても、ICチップに記録されている情報により、偽造や変造を見破ることが簡単に出来る」とされているが、「現在、世界のほとんどの国で、日本政府発行のIC旅券の偽造したものでの出入国が論理上可能だ」と、氏は付け加えている。