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2018.09.21(金)

海外における個人情報流出事件とその対応 第171回 ストームの倍のボットネット発見 (2)増大するPCのボット被害

●サイバー犯罪において高まるボットの存在感

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●サイバー犯罪において高まるボットの存在感

どのボットネットの規模が大きいかはともかくとして、e-mailやインターネットコンテントのセキュリティを提供するMarshallが2月に発表した分析結果によると、スパムメール全体の85%は、たった6つのボットネットからだという。中でも、最大のものはSrizbiでゾンビ総数の39%、そして21%分を生み出しているRustockが続く。しかし、悪名高いストームについては、8万5000件と3%に過ぎない。

ただし、ゾンビの数が多いことが、スパムメールの送信数も多いわけではないと、結果を発表したMarshallのブラッドリー・アンスティス副社長も認めている。問題はボットネットがスパムメールを日々大量に送り出し、インターネットトラフィックの大きな負担になっていること、これらのスパムメールにマルウェアが仕掛けられていることも多く、受信者がトロイの木馬などに感染することもあること、フィッシング詐欺やDoS攻撃に使用されることなどだろう。

DoS攻撃は、国家間の争いに用いられることもあるとして、注目されているが、一般レベルでも、去る2月に数十件のギャンブルサイトが被害を受け、攻撃を止めて欲しければ要求する金額を支払うようにと強要されたようだ。

サンフランシスコにあるサポート・インテリジェンスのリック・ウェッソンCEOによると、通常、8億台のコンピュータのうち4割がボットだというから相当な数だ。これらのマシンがさまざまな活動を行っている。

自分のPCがボット化しているのにユーザが気づいていないことが多いので、処理速度が遅くなったなどといって、新しいPCを購入するユーザもいる。しかし、実際は、そのような必要はない。

ボットが安くなっているのも問題だ。ストームによるボットネットが一部レンタルされていることが確認されたが、数千台レベルのボットネットの使用量は1日1000ドルから2000ドル程度と、利用しやすい料金になっている。

●拡大する企業でのボット感染

さらに、ボット感染が企業の間でも広がっていることを、セキュリティ専門家も警告を始めている。以前はボットに感染するのはホームコンピュータが中心だった。これは、セキュリティ対策が不完全なPCが多く、攻撃しやすいためだ。しっかりしたセキュリティを持つ企業は通常、安全だとみられてきた。しかし、最近になって、実際に現場で作業しているセキュリティ研究者たちが、企業ネットワークにおけるボットの活動が活発になってきていることを実際に確認しているという。

企業への攻撃について、昨年10月に発表している『Dark Reading』によると、例えば、シマンテックのセキュリティ・オペレーション・センターは、9月に2000件のセキュリティ関連のインシデントを、米国全体で確認している。そのうち81件はFortune500にリスティングされるような大企業だった。

セキュリティ・オペレーション・センターでは、企業のネットワークを、セキュリティの専門のアナリストが24時間体制で監視している。シマンテックがボットネットの活動追跡を開始したのは、単にサービスとしてだ。また、以前から行っていたのではなく、新しい試みで、比較するようなデータはなかったが、ボットネットの活動が大きな問題となりつつあることを、シマンテックでも認めている。

しかし、『Dark Reading』で、企業におけるボット被害の増大については、「これまで、過小評価され、報告や分析されることも少なかった」だけで、「米国のビジネス業界は、ホームユーザと同様に被害に遭っている」という、サポート・インテリジェンスのウェッソンCEOの意見を紹介している。実は"被害総数"が増えたのではなく、"認識が高まった"だけなのかもしれないということのようだ。

感染率については、企業ネットワークはホームユーザほど悪くはない。しかし、それでもかなりの数にのぼっていると警告する。サポート・インテリジェンスは、ボットネットをはじめ、企業ネットワーク上の悪意ある活動を監視してネットワークを守る企業で、顧客などに対して、企業ネットワークでのボットの問題を適切に判断、処理していく必要を訴えている。

●ボットでオンラインバンキング利用者が大被害

ボットネットはサイバー犯罪者が好んで使うツールとなっている。ネットワーク内のPCがゾンビとならないよう…

【執筆:バンクーバー新報 西川桂子】
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