[BHJ2007特約記事] 海外のセキュリティ専門家に聞く先端動向(4) Ero Carrera 氏 | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.08.18(金)

[BHJ2007特約記事] 海外のセキュリティ専門家に聞く先端動向(4) Ero Carrera 氏

特集 特集

10月23日から26日に開催される、国際セキュリティカンファレンス「BlackHat Japan 2007 Training & Briefings」には、世界中から選りすぐられた、セキュリティの先端研究者や専門家が日本に結集する。SCAN編集部では、同カンファレンスの協力を得て、来日予定の講師やスピーカー達に横断インタビューを行った。第4回目は、Windowsのマルウェア検出のトレーニングクラスを担当する Ero Carrera 氏である。

●代表的リバースエンジニアリングツール開発企業に所属
Ero Carrera氏は、Pedram Amini氏とともにクラスを担当する。
Carrera氏は、SABRE Security社に所属。世界中の多くの企業のリサーチと分析部門においてリバースエンジニアリングツールとして使用されている「BinDiff」と「BinNavi」はSABRE Security社によるもので、リバースエンジニアリングツールとしてはトップと認識されている。最新の製品である「VxClass」は、マルウェアが持つ特徴から自動的に同種類のマルウェアを分類することができるマルウェア分析ツールだ。

■質問1:あなたの専門・研究領域はなんですか?
わたしは、リバース・エンジニアリング自動化の研究を行いながら、フリーのセキュリティコンサルティングも行っています。以前は F-Secure社でウィルス研究者として数年を過ごしました。 F-Secure社での主な任務はマルウェアのリバース・エンジニアリングから分析自動化の研究にまで及んでいました。 また、ゲノム的手法を2進法の構造的な分類に適用することについてGergely Erdelyi氏と共同論文を発表し、マルウェア分類の進歩に貢献しました。

■質問2:あなたが注目しているセキュリティの大きなトレンドは何ですか?
マルウェア業界での職業が成立している点でしょうか。インターネットを通して不法な商品が多数販売されており、その販売サイトに関与するアンダーグラウンドの組織は、ボットネットなどの犯罪のためのインフラを構築維持し、スパムの配布やDoS攻撃の拠点として使っています。これが極めて深刻なセキュリティのトレンドだと僕は思う。

■質問3:その大きなトレンドの中でのあなたのミッションは何ですか?
SABRE Security社のツールは、分析者にとってマルウェアに対して、素早く簡単に反応できるようにすることを目指しています。サイバー脅威を素早く理解できるようになれば、過去の数年に起こったような大規模な感染を防ぐことができるのです。
「BinDiff」はパッチしている脆弱性分析を驚くほど速くすることに成功しています。これまでのように、アセンブリコードから時間をかけて研究者が見つけだすという「匠の技」に頼るのではなく、アプリケーションの部分変更に注力することができます。
パッチされた脆弱性を見つける作業は、バグとエクスプロイトになり得るその他の本質的な理解を提供します。ソフトウェアベンダーは、自社の製品が修理された事を公開制限をすることもありますが、「BinDiff」と「BinNavi」のようなツールは、そういった本質を見抜く手助けをします。

■質問4:最近注目しているセキュリティインシデントは何ですか?
マルウェアとソフトウェアエクスプロイトが、アマチュアから、プロのコードライターにシフトしていることです。プロの犯罪者によるマーケットができているのです。

■質問5:日本に関して何か特別な興味などありますか?
先日初めて日本に来る機会があったのですが、最初の訪問で心を奪われました。今度訪日する時には、もう少し日本文化の中に自分を浸せることを楽しみにしています。


●数時間でマルウェアを解剖する技術を提供
今回 Ero Carrera 氏らが提供する講義は、32ビットWindows環境における悪質なコードに焦点をあてたリバースエンジニアリングに特化したコースである。受講生は、リバースエンジニアとしての物事の見方に集中できる。リバースエンジニアリングは、脆弱性の研究、ソフトウェアプロテクション分析、デジタル権利管理などから、自動車のパフォーマンス・チューニングに至るまでを含む。
このトレーニング終了時には、受講生は、未知の exeファイルを解剖し、そのプログラムが何をするものでどのように拡散するかを、数時間で詳細にレポートできるようになる。

【取材協力:Black Hat Japan 篠田佳奈】

【関連URL】
Black Hat Japan 2007 Briefings
http://shop.ns-research.jp/3/9/9620.html
Black Hat Japan 2007 Training
http://shop.ns-research.jp/3/9/9641.html

Black Hat Japan 2007 Training & Briefings
「Windowsのマルウェア検出と分析、リバースエンジニアリング」
http://www.blackhat.com/html/bh-japan-07/bh-jp-07-tr-jp/train-bh-jp-07-jp-pa.html

リバースエンジニアリングの国際的権威 ペドラム・アミーニ氏インタビュー
https://www.netsecurity.ne.jp/3_9246.html

[BHJ2007特約記事] 海外のセキュリティ専門家に聞く先端動向(1)
https://www.netsecurity.ne.jp/3_9992.html
[BHJ2007特約記事] 海外のセキュリティ専門家に聞く先端動向(2)
https://www.netsecurity.ne.jp/3_10013.html
[BHJ2007特約記事] 海外のセキュリティ専門家に聞く先端動向(3)
https://www.netsecurity.ne.jp/3_10040.html

□ Black Hat Japan 2007 Training & Briefings 開催概要
開催地:東京 新宿 京王プラザホテル
年月日:トレーニング 2007年10月23日(火)〜24日(水)
ブリーフィングス 2007年10月25日(木)〜26日(金)
受講料:ブリーフィングス 早期76,650円/通常88,200円/当日92,400円(税込)トレーニング 各コースによって異なるためWebを参照
《ScanNetSecurity》

Scan PREMIUM 会員限定

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定特集をもっと見る

Scan BASIC 会員限定記事

もっと見る

Scan BASIC 会員限定記事特集をもっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)

もっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

特集 カテゴリの人気記事 MONTHLY ランキング

  1. [セキュリティ ホットトピック] 起動領域を破壊し PC を完全にロックするランサムウェア「Petya亜種」

    [セキュリティ ホットトピック] 起動領域を破壊し PC を完全にロックするランサムウェア「Petya亜種」

  2. [セキュリティホットトピック] サイバー攻撃に対して備えるべき機能・組織・文書など、総務省が「防御モデル」として策定

    [セキュリティホットトピック] サイバー攻撃に対して備えるべき機能・組織・文書など、総務省が「防御モデル」として策定

  3. ISMS認証とは何か■第1回■

    ISMS認証とは何か■第1回■

  4. ここが変だよ日本のセキュリティ 第29回「大事な人。忘れちゃダメな人。忘れたくなかった人。誰、誰……君の名前は……セキュリティ人材!」

  5. クラウドセキュリティ認証「ISO 27017」「ISO 27018」の違いとは? ~クラウドのよさを活かす認証コンサル LRM 社 幸松 哲也 社長に聞く

  6. 工藤伸治のセキュリティ事件簿 シーズン6 「誤算」 第1回「プロローグ:七月十日 夕方 犯人」

  7. Heart of Darknet - インターネット闇の奥 第1回「プロローグ」

  8. スマホが標的のフィッシング詐欺「スミッシング」とは、現状と対策(アンラボ)

  9. [数字でわかるサイバーセキュリティ] 低年齢層のネット利用 8 割超え、サイバー犯罪カジュアル化も

  10. 工藤伸治のセキュリティ事件簿シーズン6 誤算 第4回「不在証明」

全カテゴリランキング

★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★
<b>★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★</b>

経営課題としてサイバーセキュリティに取り組む情報システム部門や、研究・開発・経営企画に携わる方へ向けた、創刊19年のセキュリティ情報サービス Scan PREMIUM を、貴社の事業リスク低減のためにご活用ください。

×