去る6月、ホテルをはじめとする観光関連、エンターテインメント、市議会など多数のイタリアのウェブサイトがマルウェアに感染し、サイトを訪れたユーザをトロイの木馬に感染させてしまうとの警告が、トレンド・マイクロなどのセキュリティ企業により行われた。このマルウェアは、ツールキット“MPack”を用いて作成されているという。トレンド・マイクロによると、イタリアのサイトがマルウェアに感染した問題について、数万人のユーザが影響を受けたとしている。続けて、VeriSignの関連会社であるセキュリティ企業iDefenseなども、マルウェア感染に使用されたMPackの攻撃が激しくなっているとの警告を行った。MPackでは、キーボードへの入力情報を盗むキーロガーなどに感染する。その結果、インターネット・バンキングやショッピングなどでユーザが使用する重要情報が盗まれてしまう危険なマルウェアだ。まず、MPackの脅威から詳しく見てみよう。●複数の脆弱性を攻撃するツールMPackは強力なウェブ攻撃ツールでWebAttacker IIとも呼ばれている。2006年10月頃から確認されているということで比較的新しい。当時、MPackによる攻撃は、ウェブベースの攻撃のうちの約1割を占めていたという。MPackはウェブサイトを乗っ取り、そこにアクセスしてきたユーザのPCを攻撃する。乗っ取られたサイトには隠しiFrameが挿入される。アクセスしたPCへの攻撃手順は、1.まずアクセスしてきたユーザのPCについて、オペレーションシステム、使用ブラウザを確認する2.確認したブラウザの種類、オペレーティングシステムによって、Webの脆弱性を突いたコードをユーザのマシンに送信する3.脆弱性の利用に成功すると、ペイロードファイルをユーザに送信して、実行するというものだ。また、MPackが攻撃する脆弱性は…【執筆:バンクーバー新報 西川桂子】──この記事には続きがあります。全文はScan Security Management本誌をご覧ください。◎有料版Scan申込> http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m02_ssm