Webと連携するセキュリティサービスの可能性 (1)〜ウイルスバスター2007 トレンド フレックス セキュリティ | ScanNetSecurity
2024.04.25(木)

Webと連携するセキュリティサービスの可能性 (1)〜ウイルスバスター2007 トレンド フレックス セキュリティ

トレンドマイクロの総合セキュリティソフト「ウイルスバスター」は、1991年の販売開始から今年で15周年を迎え、9月下旬には「ウイルスバスター2007 トレンド フレックス セキュリティ」が発売されたばかりだ。

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トレンドマイクロの総合セキュリティソフト「ウイルスバスター」は、1991年の販売開始から今年で15周年を迎え、9月下旬には「ウイルスバスター2007 トレンド フレックス セキュリティ」が発売されたばかりだ。

今回のバージョンアップでは、まず機能面で、同社スパイウェア対策専用ソフト「スパイバスター2006」との統合が図られた。また1ライセンスで最大3台のパソコンにインストールできる新しいライセンス体系が導入されたことも大きな注目を集めた。

以上二項目に加え、「トレンド フレックス セキュリティ」というオンラインサービスを立ち上げ、同ソフトのユーザでなくても利用可能なオンラインスキャンやソフトウェアキーボードを、また、同ソフトのユーザには、リモートファイルロック機能など様々なセキュリティサービスを提供している。これにより、Webサイトからもセキュリティサービスを提供することでソフトを補完するという、質的に新しい商品コンセプトを打ち出している。

トレンド フレックス セキュリティ
http://trendflexsecurity.jp/

今回SCAN編集部では、トレンドマイクロ株式会社 プロダクトマーケティングマネージャ 田中淳一氏を取材し、トレンド フレックス セキュリティの今後の可能性について話を聞いた。

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>>3つの大幅改良点

田坂/SCAN編集部(以下SCAN):2006年9月22日から発売されているウイルスバスター2007の特徴を教えて下さい。

田中(文中敬称略):大きくわけて3つあります。まず一つめは、スパイウェア対策機能とフィッシング対策機能を大幅に強化したこと、二番目は、1シリアルで3台までインストールできるライセンス体系を導入したこと。そして三番目は、「トレンド フレックス セキュリティ」というオンラインサービスを立ち上げて、インストールされたソフトウェアを補完するサービスを提供することで、新しいコンセプトの商品にしているということです。

>>PCではなくライセンスを受けた利用者を守る

SCAN:一番変わったことは何でしょう。

田中:本質的な違いを申し上げるならば、「パソコンではなく人を守る」というコンセプトの変化があります。「トレンド フレックス セキュリティ」はWebサービス形態でさまざまなセキュリティサービスを提供し、その中のいくつかの機能は、ユーザが使うPCや環境を選ばずに、サービスを受けることができます。

>>スパイバスターと統合

SCAN:スパイウェアとフィッシング対策の機能強化について教えて下さい。

田中:フィッシング対策機能のフィッシングチェッカーは、安全性が確認できないホームページの表示をブロックし、警告ポップアップで知らせる機能です。ウイルスバスター2006でも実装していた機能ですが、ウイルスバスター2006ではInternet Explorer用のツールバーとして提供していました。その際、ユーザの方から「FireFoxでは使えないのか」といったお問い合わせを多数いただきました。そこで汎用性を考え、今回からポップアップ形式で通知する形式になりました。フィッシングチェッカーは、URLとIPアドレスをもとにレイティングDBサーバを参照し結果情報・信頼性情報を返すほか、疑わしいWebページをヒューリスティック検出する機能も搭載しています。

また、スパイウェア対策機能ですが、今年の2月から販売しているスパイバスター2006の機能を、ウイルスバスター2007と統合することで、ウイルスバスターには無くてスパイバスターにあった機能をごっそり持ってきました。スタートアップやブラウザのセキュリティレベル設定などの、150カ所のシステムポイントを常時監視し、スパイウェアによって勝手に変更されると通知する機能や、不審な挙動の監視や、履歴クリーナー、ルートキットの検出と削除も可能になりました。ルートキットは弊社が実施した調査によればグローバルで顕著に増加しているので重要な対策と判断しました。

>>パソコン複数台所有があたりまえに

SCAN:今回のウイルスバスター2007から、1つのシリアルで3台のパソコンまでインストールが可能になりましたね。

田中:弊社で2006年4月に、家庭におけるパソコン保有台数を調査したところ、一家庭でのパソコンの保有状況として、複数台の保有は半数以上を占めました。コンシュマーのパソコン環境を守る目的を考えた場合、複数台にインストールできるのが、これからあたりまえの機能として求められるだろうと考え、家庭での使用に限定して、新しいライセンス体系を導入しました。ウイルスバスター2007がインストールされた家庭内の最大3台のマシンには、ホームネットワーク管理機能で、お子さん等のPCに対してウイルス検索やURLフィルタリングを実施したりといった、いわゆるペアレンタルコントロールを行うことができます。

>>年に一度の機能追加を打破したい

SCAN:次にWebサービスとしてのトレンド フレックス セキュリティについて教えて下さい。

田中:今回のウイルスバスター2007の目玉は、「トレンド フレックス セキュリティ」というオンラインサービスです。今後はいろんなサービスをこの「トレンド フレックス セキュリティ」から提供していきます。

Webで完結するサービスというよりは、クライアント側にインストールされたウイルスバスターと一緒に、オンラインからもサービスを提供し、トータルでユーザの安全を守っていくというコンセプトです。

Webサービスには、顧客のニーズにあった最新のツールを、随時提供していけるというメリットがあります。クライアントにインストールするソフトだと、パターンファイルはもちろん随時アップデートされますが、その他の機能は、一年に一回しかアップグレードできません。それを打破したいというのがありました。それにはオンラインサービスが有効であると考えました。一年を待たずして、新しい機能をタイムリーにユーザに提供していくことができるのです。また、一部の機能をWebに置くことで、クライアント側の容量を少なく軽快にするメリットもあります。

当然、現在のトレンド フレックス セキュリティで終わるわけではありません、お客様にとって一番のソリューションになるために、どんどん新しい機能やサービスがここに追加されていきます。

トレンド フレックス セキュリティ
http://trendflexsecurity.jp/

【取材・文:田坂啓輔/SCAN編集部】
《ScanNetSecurity》

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