2006年10月5日,6日に新宿で開催され盛況のうちに幕を閉じた、国際セキュリティ会議 Black Hat Japan 2006 Briefings には、世界各国及び日本国内から、著名なコンピュータセキュリティのエキスパートが集結、世界トップクラスの研究成果と、知識・経験が発表されました。会期中は、多数の入場者が訪れたばかりか、その選りすぐられた講師陣が海外でも話題を呼び、ヨーロッパ等国外からの参加者も多数来日しました。同会議には今年も昨年に引き続き、日頃SCANに寄稿いただいている専門技術者の方が、レポーターとして、参加しました。「Winny」「カーネル内でのWindowsフォレンジック分析」「イントラネットへの外部からの攻撃」「AJAXウェブアプリケーションへの攻撃」等、BHJ2006 のハイライトの一部を紹介します。──────■Windowsのストレージアーキテクチャ今回の講演では、Windowsがディスクを読み込む際の挙動を例にとって、どこに“マフィア”が存在しうるかが解説された。普通のアプリケーションがファイルをディスクから読み取る際には、以下のドライバを経由してアクセスが行われる。Application -> Win32API -> Kernel32.dll -> Ntdll.dll-> Ntoskrnl.exe -> driver.sys -> ntfs.sys -> ftdisk.sys/dmio.sys-> disk.sys -> Harddiskこれに対し、Helixが利用しているdd.exeがディスクから情報を読み込む際には、以下のドライバを経由する。dd.exe -> Win32API -> Kernel32.dll -> Ntdll.dll-> Ntoskrnl.exe -> driver.sys -> disk.sys -> Harddisk見ての通り、dd.exeではntfs.sysとftdisk.sys/dmio.sysを利用しない。“マフィア”は通過ポイントのどこにでも存在しうるので、通過ポイントが少ないということは、dd.exeの方がより信頼度が高いアクセス方法ということを意味する。■ディスクアクセスを騙すRootkitこれまで“マフィア”という表現を利用していたが、これを形にしたのがRootkitになる。Rootkitは様々な形でデータのやり取りに乱入し、その設置者が望む形でのデータの改変を行う。一般的には、不正侵入者が仕掛けたバックドアのプロセスやファイルを隠蔽されるために利用されることが多い。今回紹介されたDDefyもRootkitの一種だが…【執筆:NTT東日本セキュリティオペレーションセンタ 日吉 龍】URL : http://www.bflets.dyndns.org/著作物 :不正侵入検知[IDS]入門 ――Snort&Tripwireの基礎と実践http://www.gihyo.co.jp/books/syoseki.php/4-7741-1985-7──(この記事には続きがあります。続きはScan本誌をご覧ください)http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec