ハッカーの攻撃対象になるプログラムのバグ、不具合(1)狙われたショッピング・カートの脆弱性 | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.12.12(火)

ハッカーの攻撃対象になるプログラムのバグ、不具合(1)狙われたショッピング・カートの脆弱性

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昨年6月に判明して、世界中にショックを与えた、クレジットカード決済を行うカードシステムズからの4000万件もの情報漏洩事件。規模は全く違うし、事件の内容も少々異なるが、「オンラインでのクレジットカードなどの決済を行うサービスが、盗難したカードの不正使用に用いられた」と、米国のAuthorize.Netが4月3日に発表した。

発表によると、

・Authorize.Netのサービスを利用するウェブホスティングの企業で、不正なクレジットカード決済が短時間に集中的に行われた。
・『Web Hosting Information』によると、3000件以上のカード保有者が被害を受けている。
・犯人が攻撃した脆弱性は、ウェブホスティング会社にあったのか、それともAuthorize.Net側だったかは明らかではない。
・不正なカード使用は取り消しとなり、カード所有者に請求されることはなかったが、所有者の信用を失ったとみられている。
・今回の事件で顧客の口座で決済が行われたDefender Technologyでは約100人から苦情の電話を受け取った。

ということだ。

事件についての詳細を確認するためにAuthorize.Netに照会したが、

1. Authorize.Netでいかなるセキュリティ違反もなかった
2. Authorize.Netで顧客や加盟店データの損失はなかった

ということだが、決済に問題があったかなどについては、同社の方針により回答は行わないとのことで、いわばノーコメントだった。

Authorize.Netのように、クレジットカード決済の処理を行う企業が持つ情報が犯罪者に魅力的であることが、カードシステムズの事件で明らかになったといえる。一方で、事件により情報が漏洩したクレジットカードを発行する銀行は、カードの再発行を行うことになった。費用は、1枚あたり50〜75米ドル。この結果、銀行やクレジットカード会社側も、情報処理を行う会社や小売店に対し、セキュリティ強化を呼びかけている。それにもかかわらず、顧客のカード情報などを何らかの方法で手に入れて、不正使用する今回のような事件は後を絶たない。

Internetweekでは、カード処理会社はシステムの性質から、カード番号など重要情報がどこに収納されるか追跡するのは難しいという。今回のAuthorize.Netの事件でも、どこから情報が漏れたのか、詳細の調査には時間がかかる可能性もあると考えてよさそうだ。

但し、どこから漏れたのかがわからないと、同じような事件が再発する可能性がある。今回は大きな被害がある前に阻止できたとはいえ、今後についての心配が残る。消費者の不信感を招くし、次に事件があった場合、企業の存在を揺るがすような事態になりかねない。

実際、カードシステムズのケースでは、VISAとMasterCardが契約打ち切りを発表するなどして、経営難に陥った。そして、昨年12月にバイオメトリックの支払い処理を行うPay By Touchに売却されている。情報漏洩事件により、企業が消えた一例だ。

Authorize.Netは1996年から、インターネットやコールセンター、メールオーダー、小売店のコンピュータなどで、セキュアな電子取引の処理を行っている。加盟店は13万6000件で、2004年にNASDAQに上場しているLightbridgeが買収した。2004年12月のクリスマスシーズン中には24時間に100万件の処理を行うなど、Eコマースの分野で活躍している。

【執筆:バンクーバー新報 西川桂子】

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