●はじめに今日の企業が、規制当局から相当なプレッシャーを受けていることは疑いようがありません。この数年間だけでも、政府や標準化委員会は、顧客のプライバシー、データの信頼性、およびセキュリティに対し、より厳重な注意を払うよう、企業に強く求めてきています。その結果、企業が、監査において自社の遵守状況を証明可能にすることばかりでなく、法令遵守に向けた取り組みの最適化を目指すのは、当然の動きといえます。次のような各種規制を考えてみて下さい。 * Sarbanes-Oxley Act(米国企業改革法)では、すべての公開企業に対して、 財務諸表および財務諸表作成時に使用したデータと手順が、不正行為を阻 止できるものであることを、証明するよう求めています。 * 金融サービス業界ではとりわけ、Gramm-Leach-Bliley Act(金融機関向け 顧客情報守秘に関する法律)の遵守が求められており、将来は Basel II Accord(新 BIS 規制)の適用も受ける可能性があります。 * 米国の企業は、個人データを保護する義務がありますし、医療サービス会 社や保険会社は、Health Insurance Portability and Accountability Act(HIPAA)(医療保険の携行性と責任に関する法律)が制定されたこと により、患者の情報を保護する義務を負っています。 * 連邦政府機関は、Federal Information Security Management Act (FISMA)(連邦情報セキュリティ管理法)によって、データと情報シス テムに関する、組織全体にわたるセキュリティ・プログラムを策定して文 書化し、実施するよう求められています。 * 電力会社などの公益事業者は、North American Electric Reliability Council(NERC)(北米電力安定供給協議会)のサイバー・セキュリティ 標準に準拠する必要があります。 * 米国外では、European Union Data Protection Directive(EU データ保 護指令)により、各 EU 加盟国は、ネットワーク、システム、および個人 情報を含むデータの機密性および保全性の管理を義務付ける法律を、可決 することが求められています。米国の規制の大半は、組織と組織外にいる 顧客の関係に限定して適用されるものですが、EU Data Protection Directive には、顧客情報に加えて、従業員の個人情報も対象に含まれる ことが明記されています。「法令遵守は今日の企業の課題である」というだけでは、その難しさを十分に言い表すことはできません。InformationWeek が、ビジネス・テクノロジー専門職 200 人に対して行った最近の調査によると、5 人中 4 人が、「組織が遵守目標を達成したかどうかを追跡するだけでも難題である」と回答しています。また、回答者の 3 分の 2 近くが、「法令遵守にかかる費用が、今年は上昇するだろう」と答えています。すでにリソースに制約がある中で苦労している企業が、サイバー脅威が悪化する環境に加え、規制当局からのプレッシャー増大に直面しなければならないとは、実に気の滅入るような話です。それでは、法令遵守に伴う痛みを軽減するには、どのような手段を講じることができるでしょうか。以下では、その方法をいくつかご紹介します。株式会社シマンテック http://www.symantec.co.jp/ ──この記事には続きがあります。全文はScan Security Management本誌をご覧ください。http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?ssm01_ssmd