ハッカーやスパイにとっても有効な技術となるニュートリノレーザー | ScanNetSecurity
2024.04.20(土)

ハッカーやスパイにとっても有効な技術となるニュートリノレーザー

 ニュートリノレーザーはハッカーやスパイにとって大きなチャンスを与える。将来のテレコミュニケーション分野で、スーパーノヴァと原子力潜水艦、有能な科学者と、そしてハッカーは共通の基盤を見つけたのだ。

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 ニュートリノレーザーはハッカーやスパイにとって大きなチャンスを与える。将来のテレコミュニケーション分野で、スーパーノヴァと原子力潜水艦、有能な科学者と、そしてハッカーは共通の基盤を見つけたのだ。

10/11/2004


 この記事の目的は、現在のテレコミュニケーション分野の調査結果が、将来、ハッカーたちに、通信傍受の新たな方法を与えてしまうことを説明することにある。この非常に複雑な問題を理解するために、ちょっと過去の経過を見てみよう。


1952年―コネティカット州、グロトン

 米海軍のある技術者グループは、初めて原子力潜水艦の開発許可を得た。その名はUSSノーチラスSSN571号。18カ月後、ノーチラス号は出港した。ノーチラス号はこの種の潜水艦の中では第一号である。すなわち、従来のディーゼルエンジンに代えて、長期間の潜水を可能にする推進システムを使用していた。この変化は革命的で、その後、海戦におけるデファクトスタンダードとなった。

1958年―ロシア領域内

 USSノーチラス号の脅威に対抗するため、ソ連のある技術者グループは、クレムリンからロシア初の原潜設計の指令を受けた。1961年4月31日、K-19潜水艦は就役し、恐怖が世界を包み始めた。K-19を表す数字はめざましい:全長114メートル、浮上重量4030トン、水中重量5000トン、26ノット(48キロ)で最大距離35700マイルを航行、最大航続時間50日間(これは食糧の限界による)。2本のシャフトに接続された2つのギア・タービンを動かす70メガワットの2つのVM-A動力炉。これらの数字はノーチラス号と大差はなかったが、たった1つノーチラスと違う点があった。K-19潜水艦は3機の核ミサイル(射程距離650キロ、爆発力1.4メガトン)を搭載可能だったのである。

 パール・ハーバー以来、初めてアメリカは自らが安全でないと感じていた。これらの潜水艦は、たった1隻で第三次世界大戦を始めることができ、同時に終えることができる力を持っているのだ。米海軍司令部は対抗策をとるため、アメリカの科学者たちに、原子力潜水艦の傍受システムの開発を依頼した。研究者たちは複数の異なる分野に分かれて研究を進めたが、ジョセフ・ウェーバーのアイデアは特に優れていた。オッペンハイマーと共同で原爆を最初に開発したイタリアの物理学者エンリコ・フェルミは、あたらしい素粒子の存在を予測した。このニュートリノと呼ばれる素粒子は通常、星や原子炉で行われる核反応の結果によって生まれる。ジョセフ・ウェーバーのアイデアは、1+1の足し算のようなものである。すなわち、原子炉+潜水艦=強力なニュートリノの放出。こうなると問題は次の点である。通常、ニュートリノは物質と反応しないため、探知方法が難しい素粒子として知られているのである。

 1つの例を出してみよう。現在、太陽の核反応によって生み出される大量のニュートリノが我々の体を通過しているが、我々の体や他の物質の原子との反応の程度は極めて低い。

 この幽霊のような性質をもつニュートリノを観察できるように今日の科学者は巨大な施設を設置している。その施設は、通常高い山のふもとに設置された巨大なコンテナに多量の純水が蓄えられている(例えば、日本のスーパーカミオカンデ)

 大量の純水は時々(日にわずか2、3回程度)、太陽が生み出したニュートリノと衝突を起こす。ニュートリノと物質(水)との間で<まれに>起こる衝突により、ある種の閃光が生まれる(チェレンコフ効果)。この閃光はPMTと呼ばれる一種の光子探知機によって増幅・探知される。


原文: http://www.zone-h.org/en/news/read/id=4426/


(この記事には続きがあります。続きはScan本誌をご覧ください)
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec

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