利用者から見た電子自治体、電子政府(8) 〜受付システム その2 | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.10.18(水)

利用者から見た電子自治体、電子政府(8) 〜受付システム その2

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●予約システムは、インターネットで大人気

 インターネット経由でのサービス予約は便利なものである。Nikkei Netの記事( http://www.nikkei.co.jp/news/sangyo/20041020AT1C1900819102004.html )によれば、「大手航空会社のネット予約取扱高は、全日本空輸が1800億円、日本航空が1700億円。いずれも04年度は2〜3割拡大する見通しで、両社を含めた個人客のネット予約比率は05年度に5割を超えそうだ」。実物を見て判断する必要がないサービスの予約には、インターネット上の予約システムは非常に便利であり、多くの人が利用している。全日本空輸(ANA)の人がEC(電子商取引)に関する討論会に参加しているのを見たことがあるが、顧客獲得に苦労しているまわりのオンラインショップの人と話がかみ合わなかった。どうやって顧客を獲得するかなどは、全日本空輸(ANA)の人にはどうでもいいことだったからだ。増える顧客にどうシステム的に対応するかが、全日本空輸(ANA)にとって重要課題だった。

 自治体が行っている図書の貸し出しの予約や、公共施設の利用の予約にインターネット利用がはじまっている。図書の貸し出しに関する新しい試みとしては、岐阜図書館のコンビニ利用がある( http://www.library.pref.gifu.jp/cds/ )。予約した本をコンビニで受け取り、返却することができるのである。ただ、仕組みは、 http://www.library.pref.gifu.jp/cds/CDSflowchart.htm で説明されているのをみればわかるように複雑であり、コンビニ利用の費用負担もある。

 もちろん、インターネット上の予約システムは、便利なものであり、それが行政サービスとして意味があるものなら、より推進するべきものだろう。しかし、地域の経済を振興したり、防災に備えたりするという基本的な自治体、政府の役割との関連で考えると、単にどんな行政サービスの予約でもインターネット化すればいいというものではないはずだ。

 2年ほど前になるが、NHKの番組「クローズアップ現代」で、ある図書館で、ベストセラー本を大量に購入したことが、批判的に取り上げられていた。取材の仕方などには、やや誇張がある可能性もあるので、単純にその図書館を批判するわけにはゆかない。しかし、なぜ、図書を無料で貸し出しているかの公共的意味は、これからは、より問われることになるだろう。自治体が貸し出している集会場や、テニスコートなどの予約も同様だろう。民間の同様の施設はそれなりの有料で存在するのだから、なぜ公共で同様のことを行うのかは問われるべきである。この問題は、ここでとどめておいて、次は、受付システムに共通の課題、登録について述べる。


●受付システムには、登録が必要

 事前の登録は受付システムにはつきものだ。電子投票、電子納税等のように、法律上の効果が大きい受付システムの場合でも、図書館の予約のようにそれほど大きな効果を発生しない受付システムでも、なんらかの事前の本人登録は必要だ。

 登録は、基本的には、本人が直接出向いて、登録カウンターで、本人証明できるものを提示して、登録する。住民基本台帳カードを使った公的個人認証でも、直接登録窓口までゆき、最初はいって登録する。インターネットで利用する頻度の多いサービスなら、一度くらい窓口に出向いていって登録するのも、それほど面倒ではないだろう。しかし、登録が一回に対して一回しかインターネットで利用しないのだったら、あまり便利とはいえない。

 登録を一度すれば、様々な行政サービスに応用できるはずの公的個人認証も普及していない。その理由は、頻度の少ない行政サービスしか利用できないからだ。手間をかけて公的個人認証を取得しても、その手間に見合うだけの便益が得られないのが現状だ。

 それに対して、よく利用される図書館の予約システムの登録はいろいろな種類があるが、図書館に出向いて、予約用のIDやパスワードをもらえば登録できる。図書の予約は、インターネット上でできる場合もあれば、図書館のキオスク端末からしかできない場合もあるが、操作はそれほど公的個人認証に比べれば難しくない。


【執筆:武井明】

(この記事には続きがあります。続きはScan本誌をご覧ください)

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