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2017.10.20(金)

利用者から見た電子自治体、電子政府(1) 利用者からの視点とは

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●電子政府、電子自治体はすでに現実になっているけど

 e-Japan構想( http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/ )は、掛け声だけではなく、電子政府、電子自治体の分野でも、着実に進んでいる。インターネットを使っている人なら、行政関連の情報を集めるときには、関連の官庁や、自治体のホームページにアクセスして情報を収集するだろう。利用者にとって、よいサービスとは、意識しないで苦痛なく使えるものである。そういう意味では、インターネット上の情報提供は、電子自治体、電子政府の世界ではかなりのところまで来ているといえる。一般的に、行政の電子化の意味は、3段階あるといわれている。

1.内部効率化:行政(内部)の電子化による効率アップ
2.情報提供:インターネットやコールセンターを利用した情報提供
3.電子申請:申請などのサービスをインターネット上で提供

 現在、電子自治体、電子政府関連で、よく報道され記事になるものは、「3.電子申請」である。しかし、電子申請で、目玉といわれる税金の申告も、インターネット上から行うのは、まだまだであり、これからといえる。

 利用者からの視点で言えば、現在利用されているサービスから得られた経験がまず重要である。机上の空論よりも、現実のサービスに目を向けるほうが得られるものが多いからである。しかも、サービスは、実際に提供してみて、いろんなことが起こり、何が大切か判明するものである。利用者に本当に優れたサービスを提供しようとするならば、まず、すでに現実となっている電子政府、電子自治体のサービスの現状から得られた経験から、今何が起こっているか、そして何が大切かを切り出すことが重要である。これからの連載も、すでに起こっている重要なことを基本にして、すすめてゆく。


●自治体、政府の役割―理論的背景は

 現実に起こっていることは、非常に複雑であり、その本質を見分けるには、理論が必要である。電子自治体、電子政府について論じてゆくためには、自治体、政府の役割について、少しは、理論的な分析の枠組みをもっている必要がある。自治体、政府の役割は、市場経済にはあてはまらない活動を担うものである。しかし、現在、民営化が自治体や政府のあちこちで進んでいる。民営化はP.F.ドラッカーが、1970年ごろに「断絶の時代」で予想している。非効率な自治体、政府の効率化するために、民営化をドラッカーは薦めている。

 民営化とは、顧客に対するサービスを提供することである。従来の行政サービスの視点に欠けていた顧客(行政の場合には利用者という言葉がふさわしいだろう)を意識してよりよいサービスを提供することが、行政にとって重要であると彼は述べている。また「断絶の時代」の中で、知識が重要になる社会が到来するともドラッカーは述べている。

 今、まさに知識が重要な情報化社会の到来が、現実のものとなり、従来の社会資本である道路や橋などに加えて、情報的な社会資本が自治体、政府に求められている筈である。また、経済全体もサービス化がすすみ、従来の鉄鋼生産何トン増えたというような工業指数的な単純な指標では、事態の本質を把握するのは難しくなってきている。

 まずこの2つの観点である「1.顧客サービス」と、「2.情報化」という、ごく簡単ではあるが、理論的な分析枠組みとして今後用いる。これから、電子自治体、電子政府について分析し、さらに技術的な要素である電子化の現状、つまりインターネットやソフトウェア、ハードウェア技術ならびに、自治体、政府の役割にについて踏まえながら論を進めてゆく。

 特に電子化については、見落とされている観点がある。一般的にサービスでは、行われていることの記録を統計的にとることが難しく、統計的処理には向いていない部分があるが、電子化されたサービスは、記録や複雑な統計処理も費用をかけずに行うことが可能で、その分析が容易にできるのである。いわゆるデータマイニングである。

 また、莫大な統計資料が最初から電子化されて作成される時代にはいっている。政府にはこれから莫大な量の電子データが蓄積されてゆく。それをどう公開して、社会資本にするかは、一部はじまっており、その重要性はまだまだ注目されていない。これについては、各論で細かく述べてゆく予定である。


【執筆:武井明】

(この記事には続きがあります。続きはScan本誌をご覧ください)
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec

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