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2017.09.26(火)

PKI入門(12) PKI業界動向その2 PKIのシステム構築

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●PKIのシステム構築は必要とされているのか?

 前回も紹介した電子認証ビジネス市場規模調査の結果(総務省 http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020412_2.html )の統計によれば、電子証明書とソフトウェアが市場シェアを二分している。ソフトウェアは、おそらくCA局(認証局)構築まわりが多いだろう。そこで、CA局(認証局)を構築して、PKIのシステムを構築することは、市場的に必要とされているのだろうか?

 クローズドなネットワークの中で、単なるID、パスワードがいらない強固な認証システムというだけでは、PKIにする必要はもともとあまりない。横河電機のSecureTicketもいいし、もう少しハイエンドな認証システムなら、世界的にも有名な、RSAセキュリティがある。

 RSAセキュリティのRSA SecurIDはワンタイム・パスワードではスタンダード( http://rsas-info.jp/opal/onetime/index.html )で、実績もあるのでクローズド(企業内)などの認証システムでは、PKIでなくてもよいことになる。ただし、これらの認証システムとPKIは、矛盾するものではない。PKIの証明書を見せてから、確認でなんらかの認証システムをかぶせることはよくある。PKIの証明書+指紋認証などの生体認証で、認証する仕組みは十分ありえる。

 PKI+手書き認証の組み合わせもあり、これは、日立情報システムズ( http://www.hitachijoho.com/ )が提供している( http://www.hitachijoho.com/NR/2004/040630.html )。PKIの証明書を持っていても、もしかしたら、第三者かもしれないので生体認証を組み合わせるわけだ。

 やや、まえふりが長くなってしまったが、単なるID、パスワードのいらないセキュリティレベルの認証を越えるメリットがないとPKIを更に付け加える必然性はない。そこで、PKIのメリットである署名機能つまり契約成立がPKI利用の決め手になっている事例をごく簡単に紹介する。


●印紙代節約にPKI

 CA局(認証局)運営まで含めて、PKIのシステムは、社内のプライベートなものならば、比較的気軽に低価格で構築できる。しかし、企業をまたがった電子商取引に利用する大掛かりなものになると高価格になる。そういった電子商取引でのPKIの応用がまだ普及していないのは、システム構築費用が高く、PKIのシステムを利用するコストが高いからである。

 特にセキュリティを強化するためにPKIを導入するとなると費用体効果が明らかでなく、導入には抵抗があるだろう。年間1万円の出費でも、たんなるセキュリティ上の理由だけで、PKIを導入して直接の経済メリットがないなら、企業は出費をためらうはずだ。しかし、年間100万円システム利用費がかかるとしても、200万円以上の経費節約になるなら、すぐに企業は出費するだろう。

 まさにそのような事例が、建設業界向けに存在する。コンストラクション・イーシー・ドットコム( http://www.construction-ec.com/ )である。
 建設請負契約書を紙で作成するならば、印紙税がかかり、その印紙税額は、最高60万円にもなるのである。契約を従来は紙ベースで行っていたが、電子署名及び認証業務に関する法律(平成12年法律第102号)(通称:電子署名法)に基づいて、電子署名でも可能になったのである。そこで電子署名による契約は、紙ではないので印紙を貼る必要はなく、印紙税は不要になったのである。大手のゼネコンでは、印紙税だけでも、1億円近く支払うこともある。少々システム利用費が高くても、十分にコンストラクション・イーシー・ドットコムのPKIシステムを利用するメリットがあるわけである。

 はっきりくっきりした経済的メリットがPKIに存在した事例である。しかし、それは法律上の特殊な理由によるものであり、残念ながらPKIの一般的な普及には参考になる事例ではない。なおこのシステム構築はNTTデータ( http://www.nttdata.co.jp/release/2000/0801.html )が行っている。


【執筆:武井明】

(この記事には続きがあります。続きはScan本誌をご覧ください)
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec
《ScanNetSecurity》

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