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2017.11.24(金)

PKI入門(11) PKI業界動向その1 電子証明書

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●何故、電子証明書なのか? 印鑑証明つきが大切

 今回は、PKI業界動向の紹介だ。2回に分けて説明する予定だが、まず、今回は電子証明書という観点から、業界動向を紹介する。

 PKI業界は、ある意味広がりをもっているので、どこまでを含めるかは難しい。市場規模でいうと、特に、システム構築の認証システムとしてPKIを入れている場合には、PKIの部分だけを独自に取り出すことは難しい。単なる認証という観点からすると、単なるID、パスワードのいらない認証というレベルから、大規模なシステム構築まで幅広くPKIの仕組みは利用可能になり、その範囲はあまり明確でなくなってくる。その不明確さを、電子証明書という観点から見てみると、見えてくるものがある。

 例によって電子証明書を印鑑にたとえることにしよう。印鑑には、三文判から、印鑑証明の実印まで幅広く存在する。重要度は非常に異なるにもかかわらず、これらの印鑑はハンコを押せるという点では仕組み的に同じである。つまり、印鑑という仕組みそのものよりも、印鑑証明がついているかどうかというのが重要である。PKIも同様である。

 つまり、電子証明書も、印鑑証明つきの効力ある電子証明書であるかどうかが重要になってくるのである。しかも現時点が面白いのは、銀行の実印に相当するようなクライアント証明書はまだ普及の前段階なのである。現時点で、普及している電子証明書は、サーバ証明書といわれるもので、Webサーバをちゃんとしているところがたてているということを証明するに過ぎないものだ。

●サーバ証明書 老舗はベリサインだけれども

 まず、電子認証ビジネスの市場規模予測を少し古いが総務省がだしている。
http://www.soumu.go.jp/s-news/2002/020412_2.html

 それによれば、日本の電子証明書関連市場規模は、電子認証ビジネス全体の半分くらいでその割合も年を追うごとに増えてゆくと予想されている。2004年は、法人向けの電子証明書の市場規模は、100億円と予想されている。とりあえず、電子証明書の市場はそこそこ大きくなってきている。

 そこで電子証明書発行サービスをしている会社を見てみよう。国内トップシェアは、なんといっても日本ベリサイン( http://www.verisign.co.jp )である。株式市場でも、人気で、2004年7月09日の日経金融新聞によれば、「昨年十一月の東証マザーズ上場以来、株価はほぼ五倍に高騰。予想株価収益率(PER)は約五百十倍に達している。」とのことで大変な人気である。サーバ証明書の市場シェアは七割では、トップであるのが人気の原因だろう。

 ベリサインのサーバ証明書は、税込みで、1年有効なのが1枚85,050円からなので、そこそこ高い価格である。しかも、サーバ「証明書の発行枚数は今年三月末時点で三万七百枚に達している」とされ、累積でみるとかなり発行されているように見える。しかし、この数字は累積なので、ここ1年に限ってはどうなのだろう。
 まず、理屈の上では、ベリサインのサーバ証明書を利用する必然性はどのくらいあるかがまず問題になる。SSLでサーバ間通信を暗号化したいというだけならば、プライベートCA(認証局)たてて、自分でサーバ証明書発行すればよいので、無料である。しかし、これではブラウザ(IEやNetscape)からサーバが使っている証明書は信用できない認証局から発行されていると警告がでてしまう。

 そこで、ブラウザから警告がでない認証局であればいいとなると、実はもっと安いところが結構ある。
 たとえば、tucowsという会社は、電子証明書の卸売りをやっていて、その小売の企業は、日本円で年額2万円程度から証明書を販売している。ここは、実はジオトラストから、サーバ証明書の供給を受けている。
 日本ジオトラストでの証明書価格を見ると、現時点で、一番低価格なのは1年間36,540円である。とりあえず、ブラウザから認証局関連の警告がでないサーバ証明書は、日本ベリサインよりも、低価格で入手することが可能なのである。日本ベリサインは、先行しているために、ブランド化されそのプレミアムとしての高価格を享受していると言える。


【執筆:武井明】

(この記事には続きがあります。続きはScan本誌をご覧ください)
http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m-sc_netsec

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