ここまで様々なトンネリング技術を使ったツールを紹介してきたが、今回からトンネリングを最も活用したセキュリティ技術IPSecを使用するツールについて紹介しよう。IPSecは、VPNなどに用いられ、セキュアなネットワーク構築に非常に有用である。 まず最初に紹介するソフトウェアは、Linux用VPNソフトウェアとして広く用いられているFreeS/WAN [1]である。 FreeS/WAN は、1996年より John Gilmore が行っていたプロジェクトを拡張し、1999年からリリースされている。このFreeS/WANという名前に関しては、RSAの「S/WAN」を許可のもとで使用している。 FreeS/WAN は、GPLライセンスによって配布されており、動作環境としてはGNU/Linuxのみを対象としており、カーネルバージョン 2.2.19 の RedHat-6.2、カーネルバージョン 2.2.19, 2.4.9, 2.4.14 の RedHat-7.0/7.1/7.2 での動作が確認されている。GNU/Linuxシステムであっても、カーネルバージョンによっては動作しないこともあるようなので、注意が必要だ。スナップショット版とリリース版が存在するが、これらはそれぞれ開発版と安定版に相当するので、通常はリリース版を用いればよい。Webの記述では、リリース版の最新は version 1.97 ということになっているが、実際に入手できるのは version 1.98b である。 ダウンロードは、ftp://ftp.xs4all.nl/pub/crypto/freeswan/から行うことができる。また、RedHat 7.1/7.2/7.3 に対してはそれぞれ rpm パッケージが用意されており、ftp://ftp.xs4all.nl/pub/crypto/freeswan/RedHat-RPMs/からRedHatの(カーネル)バージョンに対応した rpm パッケージをダウンロードすることができる。 tarファイルからの構築は以下のように行う。ファイルを /usr/src に置き、$ tar -xzf freeswan*.gzとする。この時、 /usr/src/linux に置いて作業したり、あるい作業ディレクトリなどで untar してコピーする方法ではうまくいかないことが、公式ドキュメントにも明記されているので、注意が必要だ。officeoffice@ukky.nethttp://www.office.ac/[1] http://www.freeswan.org/index.html(詳しくはScan本誌をご覧ください)http://shop.vagabond.co.jp/m-ssw01.shtml