マイクソフト社は、セキュリティ部門の新責任者に元米司法省弁護士Scott Charney 氏を任命する予定だ。前任者のHoward Schmidt 氏は1月28日に辞職し、ブッシュ大統領の諮問機関である『重要インフラ防衛委員会』の副委員長に就任した。Charney 氏は1991年から1999年にかけて、司法省で米国内外の捜査の調整役を担った他、22名の連邦検察官の指揮を執り、その後PricewaterhouseCoopers(PwC)社の『サイバー犯罪対策班』責任者として活躍した。同氏は4月1日付けでマイクロソフト社のセキュリティ担当責任者に就任する予定だ。 米調査会社Gartner 社のアナリストJohn Pescatore 氏はCharney 氏の資質に関し、法曹界における素晴らしい経歴を賛辞しつつも「PwC 社で実際のサイバー犯罪に取り組んだ期間は僅か1、2年だ。コンピュータの安全性の観点から企業が何を求めているのか、Charney 氏が十分に理解しているとは思えない。さらに、ソフトウェアの安全性を強化するというマイクロソフト社の目標達成にCharney 氏が重要な役割を果たすとは思えない」と苦言を呈した。また、Charney 氏の演説家としての卓越した能力は、マイクロソフト社に問題が発生した際に活かされるだろうと付け加えた。 マイクロソフト社の会長Bill Gates 氏は1月中旬、『Trustworthy Computing(信頼に足るコンピューティング)』計画を発表し、セキュリティを最優先事項にする方針を明らかにした。同計画の一環として、マイクロソフト社のシステム・プログラマー700名に対し特別セキュリティ養成プログラムの受講や、全てのWindows OS コードを見直して脆弱性の検出にも取り組む予定だ。[翻訳:関谷 麻美]