前回はOpenSSHの概要とインストール方法について駆け足で紹介した。今回はまず前回説明できなかっったことについていくつか補足しておきたい。 Windows用のOpenSSHについて前回Cygwinのインストールを説明したが、Cygwin版を元にしたWindows用OpenSSHを簡単にインストールできるツールとして、Network SimplicityからOpenSSH on Windowsが公開されている[1]。ただし、Cygwin版のバイナリとは実装が異なるらしく、Windows9xやMEにはインストールできない。またインストールした場合のディレクトリ構造はUnix用OpenSSHや元のCygwin版などとは全く異なる。 本原稿執筆時点ではOpenSSH 2.9.9p2-1対応のものが、http://www.majorfamily.net/downloads/files/openssh29.zipなどからダウンロードできる。このファイルを解凍してでてくるSetup.exeを起動するだけで、簡単にWindows用のOpenSSHのサーバ、クライアントおよびscp,sftpなどのクライアント用ツールがインストールされる。 また、サーバの設定をGUIで行うことができるSimpleConfigや、どのユーザが最後にどこからloginしたか記録したlastlogをデコードするLastlog Analyzer、ローカルやリモートにあるsshに関するイベントをスキャン、レポートするEventManager、ユーザ管理用のツールなど計6つのユーティリティがまとめられた追加パッケージも利用できる。追加パッケージはhttp://www.networksimplicity.com/openssh/addonpack.zipからダウンロードでき、解凍して起動するだけで、これらのツールが追加される。 もう一つ、SSHにはSSH1とSSH2の2つのプロトコル(通信方式)があることについて説明しておきたい。SSH2の方が新しいプロトコルであるため、サポートされている認証方式が異なる。SSH1では、認証方式としてRSA、RhostsRSA、Rhosts、Password、S/Keyなどが使用でき、SSH2ではRSAやDSAを用いたPublicKey、Password、Hostbased、S/KeyやPamを用いたKeyboardInteractiveの各方式が使用できる。またSSH2はSSH1に比べて暗号化のオプションが充実している。このため、SSH2の方が、SS1に比べてより安全な運用が可能であり、SSH2が今後の主流のプロトコルとなると考えられている。る。 しかし、現状ではクライアントツールの中にはSSH1しかサポートしていないものも多く、またSSH2をサポートしているツールにはツール単体での日本語の使用に難があったりする。officeoffice@ukky.nethttp://www.office.ac/[1] http://www.networksimplicity.com/openssh/(詳しくはScan本誌をご覧ください)