LANやインターネットでの通信において、径路上の通信内容を保護するソフトウェアにはいくつかの種類があるが、今回はその中でも実績のあるStunnel[1]を紹介しよう。 Stunnel (universal SSL tunnel)はクライアントとサーバとの通信を、通信内容をSSLによる暗号化によって保護するソフトウェアである。特にPOP3、IMAP、LDAPといったInetdによって起動されるデーモンや、NNTP、SMTP、HTTPなどに容易に利用できるよう実装されている。 Michal Trojnaraによって1998年2月に公開されたStunnelは、オープンソースで開発されており、FreeBSD式のライセンス形態で使用できる。主にUNIX系OSで動作するが、Win32版もあり、これはWindows 9XやWindowsNT/2000でも使える。 また、Stunnelが動作するにはOpenSSLのバージョン0.9.5a以上がインストールされていることが必要である。OpenSSLの導入方法に関しては本連載の【無料ツールで作るセキュアな環境 (7)】で解説したので、そちらを参照して欲しい。 Stunnelの執筆時点での最新バージョンは3.20であり、http://www.stunnel.org/download/stunnel/src/stunnel-3.20.tar.gzでソースをダウンロードすることができる。 FreeBSDなどのUnixでのインストール方法は、適当なディレクトリに上記ファイルを置いて、$ gzip -dc stunnel-3.20.tar.gz | tar -xvf -$ ./configure$ make$ su# make installとすればよい。 Linuxの場合、ほとんどのディストリビューションで最初からrpmパッケージが用意されているので、それを利用すれば簡単にインストールできる。ただし、stunnelのバージョン3.9以前のものには2000年の12月に重大なセキュリティホールが発見されているので、アップデータを利用するなどして新しいものにしなければならない。RedHat 7.0ならば、http://www.jp.redhat.com/support/errata/RHSA/RHSA-2000-137J.htmlにそれらの情報がある。Stunnelのバージョンが3.10以降の場合にはこのセキュリティホールはない。officeoffice@ukky.nethttp://www.office.ac/[1] http://stunnel.mirt.net/(詳しくはScan本誌をご覧下さい)http://www.vagabond.co.jp/vv/m-sc.htm