Network Associates社の傘下にあるPGP SecurityのCovert Labs部門は6月25日、Oracle社データベース・ソフトOracle 8と8iの脆弱性を指摘するセキュリティ報告書を発表した。同脆弱性を悪用することにより、悪質なハッカーがデータベースにアクセスし、情報の捏造、削除、改ざんを可能にする危険性がある。同報告書によると、二つの脆弱性は、OracleのTNS(Transparent Network Substrate)に関するものだ。一つの目の脆弱性は、Oracleデータベース・サービスとリモート通信を構築および維持するために使用されるTNS Listenerにあり、バッファーオーバーフローに対し脆弱である。PGP Securityのセキュリティ研究責任者Jim Magdych氏は「問題の脆弱性を悪用すると、通常のプロセスより比較的容易にバッファオーバーフローを起すことができる。この脆弱性を悪用した有害スクリプトが公開されるのは、時間の問題だろう」と述べた。 TNSにあるもう一つの脆弱性は、リモートユーザがNet8プロトコルに依存している全Oracleサービスに対しサービス使用不能攻撃を可能にするものだ。そのプロトコルを利用するサービスにはTNS Listener、Oracle Name Service、Oracle Connections Managerなどがある。TNSは、全ての業界標準ネットワーク・プロトコルに単一のアプリケーション・インターフェースを提供するために設計された。 Oracle社の広報担当者は「指摘された脆弱性のパッチは既にリリースした。全てのソフトウェアにバグは付き物だ。当社は即座にパッチをリリースした」と述べ、指摘された脆弱性の重大性に関するコメントは差し控えた。