多数の米政府機関サイトが追跡技術を使用して訪問者の監視を行っており、政府のプライバシー・ポリシーに違反している、という報告書が6月15日に発表された。調査を行ったのは、51人の監察官だ。報告書によると、23の政府機関サイトが300以上の“クッキー(訪問者の動きをオンライン上で追跡する小さなテキストファイル)”を埋め込んでいた。さらに、14の政府機関が第三者のベンダーとクッキーから得た情報を共有する契約を締結していた。また、ウェブページに視認できない程の小さなデータ収集デバイス“ウェブバグ”42個が埋め込まれていた。国防総省関連ウェブサイトの半数以上(206サイトのうち116サイト)は、プライバシー・ポリシーを掲載していなかった。退役軍人局関連のウェブサイトには29のクッキーの埋め込まれており、運輸省関連の177のウェブサイトには23個のクッキーが発見された。また、請負業者3社が運輸省のサイトから得た個人情報を収集していた。 同報告書の作成に関与した上院委員会の主要メンバーであるFred Thompson上院議員(共和党)は「報告書はまだ不完全だ。何故なら、監察官は政府機関ウェブサイトのごく一部しかチェックしていない。これは、ほんの氷山の一角だ。監察官が気づかないポリシー違反が多数埋もれているだろう」と述べた。