欧州委員会は6月6日、欧州における情報セキュリティのレベルを向上させるため、コンピュータハッキング法の策定およびハッキング防止措置に関する提案を行うと発表した。同委員会の提案には、情報の共有、セキュリティ問題に対する一般ユーザの意識を高めるためのキャンペーン、各国のコンピュータ緊急対応チーム(CERT)間の協力体制の強化などを実現することでコンピュータウイルスからシステムを防護する措置が含まれている。また、相互運用性を備えた暗号化技術の開発も視野に入れている。 同委員会の情報社会問題担当Per Haugaard氏は、ウイルス対策に関し具体的な案を一つ述べた。それは、コンピュータ・ウイルスが欧州全土に拡散するのを阻止する機関として中央集中組織を設立することだ。「各国のCERTを調整する中央組織が必要だと思う」と同氏は提言した。また、ハッキング対策について、どうのような枠組みになるのかに関し明言を避けたが「今後、議論を重ね、年末までには具体的な案を提示するつもりだ」と述べた。