ワイヤレス・サービス・プロバイダのeMobile社がインターネットに接続可能な携帯電話に対応したWTLS(Wireless Transport Layer Security:携帯端末用のセキュリティ認証プロトコル)技術を開発した。同社は以前よりWTLS技術をWAP(Wireless Application Protocol)環境に拡張する開発を行ってきた。WTLSは、広義において一般のウェブブラウザで使用されているSSL(Secure Sockets Layer)と似たような機能を持つインターネット・セキュリティ・システムだ。さらにセキュリティを強化するため、同社のWTLS技術にはRC5(ブロック長は可変)のブロック暗号およびRSA鍵交換アルゴリズムが含まれており、携帯電話やWAP対応の機器を使用するWAPユーザに対しハイレベルな暗号そして認証の提供が可能になった。 これまでWAPの短所として、携帯電話とインターネット・コールを処理するワイヤレス・スイッチ間のセキュリティの欠如が挙げられていた。しかし、eMobile社が今回開発した技術はその問題点を解決するものだ。同社の取締役社長Mike Bennett氏は「WTLSがモバイル機器に実装されることで、安全なモバイル・インターネット技術を企業インフラに組み込むことができ、またウェブサーバの完全な統合が可能になる。それにより、社外にいる従業員が安全に社内電子メールやコンタクト・マネージメント・システムそしてMicrosoft ExchangeやLotus Dominoのようなアプリケーションにアクセスできるようになるのだ」と説明した。