米連邦捜査局(FBI)は11月16日、物議を醸している電子メール監視システムCarnivore技術に関する機密文書の一部を公開した。2回目となる今回の公開は、裁判所命令により前回の公開から45日後に行われた。公開されたのは362ページからなる文書だ。その中身はFBIの電子メール監視システムが必要以上のデータを傍受する可能性が示されており、多数の消費者団体およびプライバシー擁護団体の懸念はさらに強まっている。電子プライバシー情報センター(EPIC)の顧問弁護士David Sobel氏は「今回公開された内容は、FBIが以前説明した“Carnivoreはフィルターにかけられた情報のみ収集する”という方針に背くものだ」と述べた。 FBIはこれまで消費者団体やプライバシー擁護団体に対し「Carnivoreは裁判所命令で特定されたメッセージのみを収集する」と明言しており、またCarnivoreに関する議会の聴聞会でも「データ収集を最小限に留めるため、フィルタリングされた情報のみを収集する」と証言していた。 しかし今回公開された文書によると、Carnivoreは全ての通信をハードドライブ上に保存できるという。Sobel氏は「FBI監視システムCarnivoreを承認するということは、捜査とは無関係なデータまで収集される恐れがある」と述べた。