マレーシア国家予算演説をオンラインで提供した大蔵省のウェブサイトがウイルスに感染していたことが明らかになった。そのウイルスに感染すると、マイクロソフトWord文書が上書きされ、マハティール首相を中傷するメッセージが表示される。マレーシアのウイルス専門家Looi Hoong氏は、同サイトのWord文書は国内で発生したと思われるHampehsウイルスに感染していたと述べた。「おそらくマレーシア国内で作成されたマクロ型ウイルスだろう。このウイルスは、マイクロソフトのWordファイルを上書きし、Word文書にマハティール首相を中傷するメッセージを書き加える」と同氏。 感染したWord文書は11月3日、議会でZainuddin大蔵大臣が行う演説を同時にオンラインで提供するために投稿された。また、その演説の趣旨は皮肉にもマレーシア国民のPC能力の向上を目指すものだった。感染した文書は英語バージョンの実行可能ファイルtxtbud2001.exeの中に含まれている3つのWordファイルだ。 Word文書の中のコードはユーザをhampehs.cjb.netサイトに導き、そのサイトにはウイルスの作成者である“Mr DingDang”が“現政府に不満を持っており首相を侮辱するため、1999年10月Visual Basic言語を学んでいる時にHampehsウイルスを作成した。作成に要した日数は1週間ほどだった”という内容のコメントが口語体のマレー語で書かれていた。 現在のところ、感染ファイルをダウンロードしたユーザ数および感染経路は明らかになっていない。