プライバシー監視組織であるTRUSTeが同組織のサイト上で、クッキーを使用して訪問者に通知せず無断で追跡していたことが明らかになった。TRUSTeはオンライン・ショップ・サイトのプライバシー施策に対し評価認定を行い、またオンライン・ショップに有効なプライバシー指針を提言する機関だ。 今回のセキュリティ侵害を発見したのはオハイオ州に拠点を置くInterhack社だ。同社によると、TRUSTeのサイトに訪問者の動向を追跡し、情報収集を可能にするクッキーが含まれていた。クッキーが取り除かれたのは8月24日の午後、同社がTRUSTeに対しクッキーの使用に関し調査するよう要請した後だった。 TRUSTeのDave Steer氏はこの件について「Internet.comの一部門であるThecounter.comがTRUSTeサイトのトラフィックを監視することでInternet.comと合意に達し、契約を交わした。しかし規約では個人の特定が可能な情報を追跡しないことになっている」と述べた。そして「Internet.comがサイト訪問者の追跡に関与している疑いがあるため、詳しい経緯を調査するとともに同社との契約を全て無効にした」と説明した。 一方、Internet.comのCEO(最高経営責任者)Alan Meckler氏は「訪問者の追跡は、我が社の業務でない。そのような事が起こっていたとは、全く知らなかった」と述べ、さらに「Internet.comでは、クッキーを使用しないことに誇りを持っていた。Thecounter.comはスウェーデン人2名により運営され、我が社の中でも最も成長著しい部門の一つだ。仮に指摘された事が事実だとしても、Internet.comの幹部社員は誰も関与していないだろう」と付け加えた。