役に立たないメール訓練 もうやめません? by Googleセキュリティ担当者 | ScanNetSecurity
2024.07.06(土)

役に立たないメール訓練 もうやめません? by Googleセキュリティ担当者

 個人のある性格的特徴などの要因がリンクをクリックさせる場合もあれば、テストが行われた時点で特にストレスの多い仕事量を扱っているなどの状況的要因が結果に不利に作用する場合もあるかもしれない。

国際
(イメージ画像)

 Google でセキュリティを担当しているある重要人物は、連邦政府によって義務付けられているフィッシングメール訓練にうんざりしている。これには何のメリットもなく、IT チームが社員から嫌われるだけだと言うのだ。

 マット・リントンは Google のセキュリティ対応とインシデント管理部門を率いている。毎年フィッシング訓練の実施を任されているリントンは、テストは消防訓練のサイバーセキュリティ版に変更すべきだと考えている。

 今日のメール訓練は、昔の消防訓練により近い。つまり、何の前触れもなく建物の住人に降りかかり、後でその失敗を個人として非難する、火災避難訓練のようなものだ。

 以降、建物にはより多くのセキュリティ機能が設けられてきた。リントンは、ビルの防火安全性を向上させた技術革新の例として、より広いドアや、そのプッシュバー式の出口設計、スプリンクラーを挙げた。これらはいずれも、個々の住民の訓練への対応を改善するために実施されたものではないが、共に生存率を高めた。今では消防訓練は計画が改善され、手順が上手く周知されている。

 読者の皆さんなら、彼が言いたいことはわかるはずだ。このような初期の防火テストと現代のフィッシング訓練の類似点は明白だ。どちらの場合も、責任の重さは、それを取り巻くインフラよりもむしろ個人に課せられているのだ。

 セキュリティ製品やメールソフトにフィッシング対策機能が組み込まれているにもかかわらず、フィッシング攻撃は増加していることが、調査で指摘されている。Zscaler の最新の年次フィッシング・レポートによると、過去 12 か月間でフィッシングは 58 % 増加しており、サイバー犯罪者による AI の幅広い導入がこの急増の要因となっている。


《The Register》

編集部おすすめの記事

特集

国際 アクセスランキング

  1. 国際手配のランサム犯 逮捕されずに世界中を旅行

    国際手配のランサム犯 逮捕されずに世界中を旅行

  2. [DEFCON21]ハッキング競技で日本人チームが6位の快挙

    [DEFCON21]ハッキング競技で日本人チームが6位の快挙

  3. 【続報】Anonymous Japan のDDoS攻撃ツール(Far East Research)

    【続報】Anonymous Japan のDDoS攻撃ツール(Far East Research)

  4. CrowdStrike Blog:APT 攻撃に立ち向かう~世界のサイバー攻撃者リスト

  5. ハッカーがポート1080 (SOCKSプロキシーサーバー)のスキャニングを実行

  6. ソニーのWeb改ざん犯が第2のハッカーに敗北~食うか食われるかの世界(The Register)

  7. 「ミスター・ミス海自」を選ぶスマホアプリを公開(海上自衛隊)

  8. サイバー攻撃の動機 セキュリティ企業に恥をかかせる

  9. ランサムウェア感染を隠蔽したソフトウェア企業の末路

  10. 資金力で警察に勝るサイバー犯罪集団とインターポールのプロジェクト

アクセスランキングをもっと見る

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×