日本電信電話株式会社(NTT)は9月15日、同社が標準化活動を推進してきた、データを暗号化したままで処理ができる秘密計算技術について、国際標準化機構(ISO)から標準規格「ISO/IEC 4922-1:2023」が発行されたと発表した。
NTTではこれまで、秘密計算技術に着目し技術開発に取り組んでおり、社会普及に向けた実証実験や、秘密計算サービス「析秘」の実現に向けた技術提供を行ってきた。
秘密計算技術は学術的は、様々な定義や評価軸が存在していたため、専門家以外が正しく理解して利用することが困難で、他者との意思疎通時に異なる定義や用語を用いてしまい共通認識を得られにくいという課題があったため、NTTではISO/IECで秘密計算技術の規格化を一から提案し、エディタとして各国への働きかけや文案のとりまとめ等の活動を通じて規格作成を主導、2023年7月に秘密計算の初のISO規格である「ISO/IEC 4922-1:2023」の発行に至った。
「ISO/IEC 4922-1:2023」では、秘密計算技術の定義、秘密計算技術に関する安全性の評価軸やユースケース例を規定しており、秘密計算技術について様々な分野で同じ用語を用いて説明が可能となる。
NTTでは今後も、安全なデータ流通社会の実現に向けて、引き続き秘密計算技術の標準化に取り組むとともに、新たな価値の創造を実現するIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)の主要機能の一つとして社会実装を進めるべく秘密計算技術の研究開発に取り組むとのこと。