一般社団法人ソフトウェア協会(SAJ)は5月30日、ランサムウェアなどのサイバー攻撃に困窮する病院や自治体などの公益団体への技術的支援や、運用面の制度確立のための支援を行う、無償のサイバーセキュリティボランティア制度の開始を発表した。
同制度は、同協会のセキュリティ情報の交換と分析を担当するSoftware ISACが、セキュリティ専門家が不在の中小公益団体に向け、サイバー攻撃に対する初動体制への助言、実績のあるセキュリティ調査会社の紹介、調査結果に基づく防御対策、制度改革を支援するとともに、ノウハウ共有による社会全体のセキュリティ防御態勢の向上と事業継続を狙うもの。
ランサムウェアの被害を受けた徳島県つるぎ町立半田病院に3月から、試験的にSoftware ISACのサイバーセキュリティボランティア3名を現地へ派遣し、半田病院ウイルス感染事案有識者会議での技術的、制度的な調査報告書の策定を支援したことで、個人情報及び機密情報の保護や2次被害を防ぐためのノウハウが蓄積されたことを受け、本格的な支援制度として発表に至ったという。
同協会では今後、同制度に賛同する企業の資金援助を受け、全国のセキュリティ専門家の公募や知見を集約するとともに、被害団体との意見交換を行い、具体的なサイバーセキュリティに対するノウハウを持つコミュニティの創設を目指す。