アマゾンからの返品の質と量に出版業界団体が抗議 | ScanNetSecurity
2020.11.30(月)

アマゾンからの返品の質と量に出版業界団体が抗議

Amazonから中小出版社に対し大量の返品が行われ、その際に、その後の販売が難しいほど本が粗雑に扱われているという実態が、業界団体のアンケート結果によって明らかになった。

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Amazonから中小出版社に対し大量の返品が行われ、その際に、その後の販売が難しいほど本が粗雑に扱われているという実態が、業界団体のアンケート結果によって明らかになった。

アンケートを実施した一般社団法人日本出版者協議会はその結果を受け、アマゾンジャパン合同会社に抗議・要望書を提出した。事態の経緯とアンケートの概要について本誌が取材した。

日本出版者協議会は、人文・芸術等の出版社73社の会員を擁する業界団体で、同会によると、2020年8月末から9月にかけてアマゾンジャパン社からの主に書籍を中心とする商品の返品の質の悪さや量の多さに関する報告が複数の出版社から寄せられており、それを受けて同社に対し抗議・要望書を10月7日に提出、10月21日までに回答を要望している。

出版社からの報告では具体的な返品の質に関して、「返品する書籍を段ボールに梱包する際に平置きすべきところを縦に差すことで傷んでいる」「緩衝材を入れる等の措置を取っておらず段ボール箱が潰れ商品が損傷している」といった商品そのものの扱い方と破損に対するものが複数あり、そのほか「返品伝票が破れていたり」「印字が薄くて読めない」といった報告があった。返品の量に関しては、8月になって急に大量に返品が増加したことが複数寄せられたという。

書籍は返品後も出版社で繰り返し流通することを前提に作られており、また、書籍の大量返品についても過剰な仕入れ量であり別の書店での販売機会の損失にあたり、加えて破損品として返品されることに対して同社へ改善を要望している。

本誌ScanNetSecurityの取材に対し、同会の担当者は「会員社から、アマゾンジャパン社の返品について苦情が寄せられたため同会でアンケートを実施したところ、アマゾンジャパン社と直接取引をする出版社から回答があり、リリースにも記載した問題点が明らかとなった。日本出版者協議会の会員は小出版社が多く、これらの問題は経営にとって死活問題で、各社がそれぞれ声を挙げても力が弱く、同会としては業界全体を憂慮しオープンにした方が良いと考え今回の抗議・要望書を公にした。残念ながらアマゾンジャパン社からの回答は現時点では無い」と述べた。

中小出版社にとってAmazonは、これまで都市部の専門書店でもなければ読者の目に触れにくかったような専門性の高い書籍でも、大手出版社のベストセラーと対等に扱われ、広い層へリーチできるというメリットがある。Amazonには今後巨大プラットフォーマーとして、文化に対する真摯な対応が求められる。
《高杉 世界( Sekai Takasugi )》

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