日本銀行は10月9日、中央銀行デジタル通貨に関する同行の取り組み方針について発表した。ITの急速な進歩を背景に様々な領域でデジタル化が進む中、「中央銀行デジタル通貨」への社会のニーズが急激に高まる可能性がある。同行では、現時点で中央銀行デジタル通貨の発行計画はないが、決済システム全体の安定性と効率性を確保する観点から、今後の環境変化に対応できるよう準備しておくことが重要で、この認識のもと、個人や企業を含む幅広い主体の利用を想定した「一般利用型中央銀行デジタル通貨」について取り組み方針を示した。同行では、中央銀行デジタル通貨が具備すべき基本的な特性として、中央銀行と民間部門による決済システムの二層構造を維持することが適当で、機能面やシステム面で「安心して使える」ものとするために、偽造抵抗力を確保し各種不正を排除するよう、セキュリティを高める取り組みが必要としている。また、「いつでも、どこでも使える」ものとするために、常に利用できる仕組みが必要で、システム・通信障害や電力途絶といったオフライン環境下でも利用できる仕組みの確保も自然災害の多い日本において重要なポイントとしている。