それが分かることで、次はどうやって実態に伴った棚卸しや、リスクアセスメントに繋げるかといった本質的な課題が出てくる。「自分たちはこの IT システムを何のために利用しているのか?」「業務で誰が、いつ、どう使っているのか?」 それを経営層が理解し、部門長が理解し、一般従業員まで理解した上で進められれば、その企業のセキュリティレベルは一気に向上していく。先に述べた「先に進んでいる企業」とは、こういった企業だ。
「まずはみんなでサイバー犯罪を体験して共通認識を持ちましょう。共通認識が持てたらリスクをどんどん見える化していきましょう。その時に『自分たちがなぜ IT を使っているのか?』『 IT を使って実現したいことは何か?』に立ち戻ると、その先の理解がスムーズです。こういった認識がしっかり共有できれば、棚卸しも、リスクアセスメントも、それぞれの部門が自分の言葉で話してくれるようになります。ここまで来れば、ロードマップが本当の意味で自分たちのものに、意義のあるものになります。(武藤氏)」