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2018.12.16(日)

誰もが安全で快適に感じるアプリ環境に近づく「TikTok」(Bytedance)

TikTokを運営するBytedanceは2018年11月30日、「TikTokセーフティーセンター開設記念・第1回TikTok Japanセーフティパートナーカウンシル」を開催した。

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 Bytedanceは2018年11月30日、「TikTokセーフティーセンター開設記念・第1回TikTok Japanセーフティパートナーカウンシル」を開催した。青少年の健全育成に関わるNGOとの連携を目的とした「セーフティパートナー制度」の開始を記念したもので、有識者による情報提起と連携する各団体の紹介等が行われた。

 2016年9月に中国でサービスが開始され、2017年に海外展開を始めたTikTok。いまや月間のアクティブユーザー数は5億人と言われる。

 まず、Bytedance執行役員・公共政策本部長の山口琢也氏からサービス紹介も含め、TikTokにおける安全対策について紹介された。山口氏自身、前職よりSNSサービスも含めたインターネット環境の青少年による健全な利用についての事業に携わっている。TikTokが日本市場に参入して以来継続して進めている安全対策をさらに拡大すべく、2018年8月にBytedanceに入社。加速度的に対策を進めていくと意気込みを示した。

Bytedance執行役員・公共政策本部長の山口琢也氏

 「昨年の日本マーケット参入以来、個人ユーザーの利用だけでなく、卓球Tリーグのオフィシャルアプリケーションに認定されるなど、TikTokは爆発的にユーザーを増やしています。利用者の中心である青少年が安心安全に利用できるプラットフォームにすることが最優先、最重要課題だと考えています。まずは他のSNSサービスが行っている施策のレベルまでいち早く整備を進めたいと考えています」(山口氏)

 続いて、ネット教育アナリストである尾花紀子氏による青少年のデジタル機器利用における課題についての講演が行われた。尾花氏は、能動的に情報を取得できるインターネット環境において、都合の良い情報だけを受け取り、都合の悪い情報は排除する子どもたちがますます増加していると話す。それゆえ、共通の話題で共感できるコミュニティにのみ入り浸り、相手を信用しきってしまったり、それ以外の人間を排除したりといった派生的な問題にも広がっているとのこと。

ネット教育アナリスト・尾花紀子氏による講演

 「スマホを使うこと自体は悪いことだとは思いません。書籍や新聞を読んだり、ニュースを見たり、アプリで勉強したり、有意義なことも多いですものね。『スマホをいじっているから』という理由だけで、頭ごなしに否定されることに、子どもたちもうんざりしています。そんな子どもには『大人はデジタル機器の使い方に関する想像力に乏しいから、スマホで何をやっているのか伝えてあげると良いのよ』と伝えるようにしています。とは言え、24時間365日SNSでのコミュニケーションやオンラインの情報に束縛され、ひとりでじっくり振り返る時間や家族で会話する時間がなくなってしまっているのは大きな問題です。視野が狭くなり、解決のヒントさえ見つからないうちに、深みにはまってしまいます」(尾花氏)

 スマホ利用が抱える問題に関しては、お茶の水女子大学教授の坂元章氏も「軽率な動画投稿のリスク」と題した講演で、自身の研究結果を引きながら説明を添えた。

 「私は社会心理学が専門ですが、脳科学の研究からも、青少年の性質のひとつとして目先の刺激や興奮を求め、長期的なダメージを重視しない傾向があることが裏付けられています。動画は情報量が豊富であり、静止画よりも改変が難しいことが特性としてあげられ、それゆえ軽率な投稿を行ったがゆえに、個人情報の流出等、問題が拡大しやすいのです」(坂元氏)

お茶の水女子大学教授・坂元章氏による講演

 会の後半には、セーフティパートナーである、カタリバのマネージングディレクターである今村亮氏も交えてパネルディスカッションが行われた。今村氏からは活動の現場で実際に関わる子どもたちのTikTokの利用状況も報告された。今村氏曰く、活動に参加する中高生のほぼ100%がTikTokを利用しており、その9割が有名人や知人の投稿を「見る専門」のユーザー、残り1割が自ら動画を投稿する能動的なユーザーという印象とのこと。

 「私たちは『どんな環境で育った子どもたちも未来は創り出せる』という理念のもと、活動を行っている団体です。中には調子に乗って動画を投稿する子どももいます。投稿動画に対してアンチのコメントがたくさんついても『有名人になった』と勘違いして、ますます有頂天になっている姿をみて、どうしたものかと悩んでいます。私たちのめざす自己肯定感や自尊心の育成という点である意味効果があるだけに、どのように軌道修正すべきか悩むところです」(今村氏)

 尾花氏は「TikTokは他のSNSと異なり、キラキラした素敵な素材がなくても、自分の身ひとつあれば自宅や教室などで撮影・投稿することができる、いわば『おひとり様の焼肉』のように手軽で気軽に、幸福感を得られるサービス」と話す。この「手軽に、スピーディに、有名人になれる」という感覚が多くの青少年を惹きつける理由だ。

パネルディスカッションのようす

 「TikTokは、ユーザーにとって非常に身近で手軽であるがゆえ、おおいに危険を孕んでいると言えます。しかし逆にとらえると、ユーザーである青少年の、数10cm先の、まさに目の前に防止に繋がるメッセージやキャンペーンを届けることもできます。ショートムービーに最適化された動画投稿プラットフォームならではの良さを生かし、施策を展開していこうと考えています」(山口氏)

 今回のセーフティパートナー制度では、青少年の健全育成に取り組むNGOと提携し、情報交換や、さまざまな機能やガイドラインの整備、啓発活動を行っていく。連携団体は、ストップいじめ!ナビ、カタリバ、育て上げネット、キッズドア、シューレ大学、日本いのちの電話連盟、OVA(オーヴァ)、3keys、東京自殺防止センターの9団体。昨今SNSをきっかけとした青少年の犯罪被害、自殺助長が叫ばれていることから、青少年ネット利用環境整備協議会や安心ネットづくり促進協議会にも参加し、その防止に努めるという。

 TikTokではこの日、安全に利用するためのガイドブックの発行に加え、「TikTokドリル セーフティ編」をアプリ上に公開した。択一式のクイズを答えることにより、プライバシー設定の大切さや動画撮影・投稿時のポイントをゲーム感覚で学べるというもの。正答数によって「TikTok新人」や「TikTok仙人」といった称号が付与される。

11月30日にリリースした「TikTokドリル セーフティ編」の問題の一例

 そのほか、不適切な動画やアプリの通報機能や、細かなプライバシー設定機能、危険な行為を含む動画へのリスク警告表示、ペアレンタルコントロール機能も充実している。Bytedance社内にも専門チームを設け、24時間365日巡回を行い、ポリシー違反をモニタリングしているという。アプリ内の検索機能を使って、自殺に関するネガティブワードを使用すると、相談窓口がリコメンドされる仕様も搭載されている。

 山口氏が語る「誰もが安全で快適に感じるアプリ環境」にTikTokは着実に近づいている。そのためには「子どもがスマホで何をやっているか」を知る大人の理解も必要だ。子どもたちの創造性や表現力を育むツールとして、そして何よりも楽しいコミュニケーションツールとしてSNSを安全に利用できるよう、心構えと知識を備えておきたい。

「TikTokだからこそできる安全対策を」5億人のアクティブユーザーを支える取組みとは

《野口雅乃@リセマム》

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