日本電信電話株式会社(NTT)は4月26日、量子コンピュータ完成後の時代に必要とされる耐量子公開鍵暗号について、新たな安全性強化手法を開発したと発表した。量子コンピュータが完成すると、現在広く用いられているRSA暗号や楕円曲線暗号等の公開鍵暗号方式は簡単に解読されてしまうことから、量子コンピュータの完成前に、量子コンピュータでも解読が難しい公開鍵暗号(耐量子公開鍵暗号)の研究が進められている。同社では、CCA安全性(改ざん防止など)を持たない耐量子公開鍵暗号を、CCA安全性を持つ耐量子公開鍵暗号へ変換し、安全性を強化する新たな手法を開発した。これにより、耐量子公開鍵暗号方式を高効率に構成できる。また、今回の手法は汎用性が高く、既存のさまざまな耐量子公開鍵暗号に対しても適用可能であり、NIST標準化候補暗号方式でも、少なくとも7件に適用可能だという。この技術に基づく耐量子公開鍵暗号を用いることで、量子コンピュータ実現後の時代においても、余分な負荷の小さい暗号通信が可能になるとしている。