――「ネットワーク機器の本当のスペックを見抜く」ことは、すべてのネットワークエンジニアに必要なことですね。はい、その通りです。実際に利用したい機能や期待する動作、価格、 カタログスペックなどから機器の選定を行うことは一般的に良く行われていますし、機器を導入する前に検証するということも行われています。しかし、その検証作業は本当に目的に即して、正しく行われているでしょうか?とにかくコストを優先するため、価格が安くカタログスペック上だけで目標性能に達しているように見えるものを導入してしまった結果、その性能を出すためには制約があることが後から発覚したり、導入後に事前の検証では見つからなかった新たな不具合が発覚するなど、ネットワーク機器の導入においてはさまざまな問題が発生するとよく聞きます。また、機器検証そのものの重要性は認知されてはいますが、その作業自体の品質については、「担当者の勘や過去の習慣」に依存している場合もあり、実は緩いものであるということもよく聞きますね。――せっかく機器を購入したのに、予期せぬトラブルにあうということを避けるために、このセッションを企画した、ということですね。はい。正しい機器選定を行って事業目的を達するには、「導入機器の検証」はとても重要な要素です。機器でできることが複雑化している今だからこそ、真剣に取り組むべきテーマだと考えています。そういった思いから、このセッションでは「ネットワーク機器の本当のスペックを見抜く」をテーマに「導入機器の検証」にフォーカスをあてたセッションとしました。――具体的にどういうプログラムになるのですか?そうですね、先ほどから言っている「導入機器の検証」を切り口に、検証機メーカー・検証サービス事業者・自前で検証機を導入しているユーザーの立場という三者の立場から解説をしてもらう予定でいます。つまり、導入機器の検証について、切り口を変えた立場の方にご登壇をお願いしているという形です。この中では、特に、自社が提供するサービス・ビジネスと導入機器の選定・検証という戦略と戦術に対して向き合ってきた企業の実例もあります。今持ち帰ってすぐ使えるTipsよりも、長く使える考え方・戦略の立て方に重点を置いて準備してきました。今後、「機器の検証といえばこのセッション」と長く参照されるようなものを目指しています。――まさに「見極める力を!」養うセッションになりそうですね。はい、そうなることを目指しています。「導入機器の検証」には戦術と戦略の両輪が必要です。つまり、ビジネスの目標に即した機器の要求仕様を立てるという戦略と、その要求仕様を充足していることを確認する検証という戦術です。捨てるべきところを捨て、とるべきところを取るという考え方が重要となります。その”決め”を決断できるための力を持ち帰っていただきたいですね。その点が今年のテーマ「見極める力を!」に合致すると考えています。――このプログラムをどのような方に聞いてもらいたいでしょうか?「機器の検証はやらないといけないことは知っているものの具体的にどうすればよいか、どう考えていればよいか」という問いにこれから立ち向かっていく方に、特にハマるのではないかと思います。またそれ以外でも、機器の検証に興味がある方や、ビジネスと機器選定に興味がある方にも合致するのではないでしょうか。――最後に、読者にメッセージをお願いします。導入機器の検証は、一見地味に見える作業ですが、実はビジネスの成否をも左右する、すごく大きなポテンシャルを秘めている重要なことだということを理解してもらいたいと思っています。適切な機器を選び抜く力は、間違いなく数年後のインフラを助けます。勝てるインフラを目指す方には、ぜひそのノウハウを持って帰っていただきたいと、そんな風に考えていますのでぜひ多くの方に足をお運びいただければ幸いです。●プログラム詳細「T12 ネットワーク機器の本当のスペックを見抜く」https://internetweek.jp/program/t12/- 開催日時:2016年12月1日(木)09:30~12:00- 会場:ヒューリックホール&カンファレンス(浅草橋)3F Room0- 料金:事前5,500円 当日8,000円09:30~10:201) 検証の脇役であるツール屋から見た、「検証」を支える機器と中身のトレンド伊原 有希子(株式会社東陽テクニカ) 10:20~11:102) 検証サービス事業者から見た「導入機器検証の実態を明かす」中村 彰宏(株式会社東陽テクニカ 情報通信システムソリューション部 次長) 11:10~12:003) とあるユーザー企業による機器選定と機器検証の例高嶋 隆一(株式会社DMM.comラボ) ※時間割、内容、講演者等につきましては、予告なく変更になる場合があります。