災害時に小型無人飛行機を電波塔として被災者への通信手段を提供(NICT) | ScanNetSecurity
2025.03.01(土)

災害時に小型無人飛行機を電波塔として被災者への通信手段を提供(NICT)

 2011年3月11日に起きた東日本大震災では地上系通信設備の障害による多くの情報孤立地帯の発生と、それによる救援活動の初動遅れが問題となった。それらを課題としてNICT(情報通信研究機構)が研究を進めているのが、「小型無線飛

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「ワイヤレスジャパン2015」のNICTブースに展示されていた小型無人飛行機は翼長約2.8m,重量約6Kg、連続飛行時間は2~3時間程度。2GHz帯を使用し通信可能区域は約15Kmとなっている(撮影:編集部)
  • 「ワイヤレスジャパン2015」のNICTブースに展示されていた小型無人飛行機は翼長約2.8m,重量約6Kg、連続飛行時間は2~3時間程度。2GHz帯を使用し通信可能区域は約15Kmとなっている(撮影:編集部)
  • 本技術の概念図。仙台市の都市部避難所との通信実証実験では、東北大学上空に無人機を旋回させ、避難所の周辺の小中学校、厚生年金病院などと最長12Kmの距離内での通信を検証している(画像はプレスリリースより)
 2011年3月11日に起きた東日本大震災では地上系通信設備の障害による多くの情報孤立地帯の発生と、それによる救援活動の初動遅れが問題となった。それらを課題としてNICT(情報通信研究機構)が研究を進めているのが、「小型無線飛行機を使用したワイヤレス中継伝送技術」だ。

 NICTは、東京ビッグサイトで開催された「ワイヤレスジャパン2015」にて、「小型無線飛行機を使用したワイヤレス中継伝送技術」として実際に使用した小型無人飛行機の展示や技術の紹介を行った。この技術を使うことで、小型無人飛行機が空飛ぶ電波塔として、災害時に被災者への通信手段を提供することを可能としている。

 小型無人飛行機は高度300mから900mを飛行し、中継回線としては約400kbpsで2時間以上の連続通信を可能とする。被災地域以外にも、通信インフラを敷くことが難しい山岳部や離島間などでの活用も可能となる。

 既に全国で多くの実証実験が行われており、災害医療現場での活用だけでなく、農業分野や害獣対策、放射線量モニタリングなどさまざまな用途を想定した検証が行われている。

災害時の空飛ぶ電波塔!…NICTの「小型無線飛行機を使用したワイヤレス中継伝送技術」

《小菅@RBB TODAY》

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