法政大学は3月6日、大島礼治研究室が開発中の都市災害における帰宅困難者のための防災セットを、今夏以降、全国の企業・自治体・学校等を対象に販売予定であると発表した。大島研究室では、昨年3月に産学連携プロジェクト「SG:P(self guard project)」を立ち上げ、同研究室の学生2名が中心となってコンセプト開発から製品化までに一貫して携わった。防災セットの開発にあたって、東日本大震災時に帰宅困難を体験した女性100名へのインタビュー調査を実施、“自助”の考えを基に帰宅するまでの必要最低限の備えとは何かを検証、コンパクトさと実用性の両立を突き詰めた。防災セットは「バッグインプロテクターセット」と「防炎フードケープセット」の2種類。いずれも、帰宅までに最低限必要と考えられる10アイテムをコンパクトに同梱した。「ヘッドプロテクター」は、落下物の力を左右に受け流す不均等なアーチ構造、上板を脱着する組み立て式という今までにない機構によりビジネスバッグに入れて持ち歩くことのできる携行性を実現。また、「防炎フードケープ」は、帰宅困難を経験した女性の体験談を踏まえ、都市での震災時の大きな課題とされる「火災」から身を守るだけでなく、授乳時・排泄時等のプライバシー保護などの点に配慮している。