キヤノンITソリューションズ株式会社は12月17日、ESETがまとめた2009年11月のマルウェアランキングを発表した。11月は、前月同様、脅威全体のうち約9.64%を占めた「Win32/Conficker」が第1位。第2位、第3位も前月と同じで、「INF/Autorun」(約7.80%)「Win32/PSW.OnLineGames」(約7.63%)がそれぞれランクインした。 今回もトップ10の順位に大きな変化は見られなかった。ただ、前回46位から6位に駆け上った「Win32/FlyStudio」がトップ100の下位付近に逆戻りし、代わりに「Win32/Injector」が68位から急上昇して一気に第10位にランクインした。「Win32/Injector」は、実行中のプロセスにコードを挿入するあらゆるマルウェアに適用される可能性のある汎用名で、自身の存在を隠蔽するためにコード挿入を行う他、その他の目的で正規プロセスの傍受、ピギーバック(別のプロセスへの便乗)、改ざんを行う場合があるとのこと。この種の脅威の感染を防ぐ有効な個別の予防策というものはなく、「安全のための慣習」を実践するしかないとレポートでは解説している。 また近況では、「Jailbreak」が引き起こしたiPhoneのセキュリティ問題などをピックアップ。被害は限定的で、近い将来、iPhoneマルウェアが大量に出現するわけではないという冷静な見方を示しながらも、iPhoneをボット化するこうしたワームが登場したという事実は「良くない兆し」であると憂えている。 http://canon-its.jp/product/eset/topics/malware0911.html