NTTデータ・セキュリティ株式会社は4月10日、「Adobe Reader」及び「Adobe Acrobat」の脆弱性(CVE-2009-0927)に関する検証レポートを公表した。 この脆弱性問題は、Adobe Reader及びAcrobatのgetlcon関数処理に脆弱性が存在し、Webページの閲覧、HTML形式のe-mailの表示またはe-mailの添付ファイルなどの経路から細工されたPDFファイルを閲覧した場合に、そのローカルユーザーと同じ権限が奪取される恐れがあるというもの。開発元のAdobe Systems社ではこの問題を「クリティカルな脆弱性」と認識しており、3月に「CVE-2009-0927」を含め複数の問題を解消したバージョン「9.1」「8.1.4」「7.1.1」を公開し、全ユーザーにアップデートを推奨している。 検証ではAdobe Reader 8.1.2をインストールしたWindows XP SP3搭載のPCを用意。細工したPDFファイルを含むWebコンテンツを閲覧させることで任意のコードを実行させ、特定のサーバ、ポートへコネクションを確立させるよう誘導してみた結果、実際に制御可能で、不正にコードを実行できることが確認されている。 http://www.nttdata-sec.co.jp/article/vulner/pdf/report20090409.pdf