株式会社日立製作所、国立大学法人神戸大学、国立大学法人福井大学は1月15日、より安全な次世代ハッシュ関数「Lesamnta(レザンタ)」を共同開発したと発表した。また同関数が、世界の暗号技術標準を事実上決定する米国商務省国立標準技術研究所(NIST)の次世代暗号コンペティション(SHA-3コンペ)において、次世代ハッシュ関数の候補として正式に認定されたことも発表した。 Lesamntaは、実装の容易さや処理速度といった要件を配慮しつつ、安全性を最も重視したアルゴリズム。日立がRFID向けに開発したハッシュ関数MAMEの設計指針を継承しながら、従来のブロック暗号研究で培った安全性評価等の技術を活用し、高いデータ攪拌性を有する複数の基本関数を、安全性と効率性とを考慮して最適配置することで各種暗号解読への耐性を実現したもの。NISTでの評価基準の一つでもあるハッシュ関数SHA-2と比較しても十分に高い安全性を有しており、また、様々な製品やシステムで容易に実装できるようバイト単位の処理を基本としているため、各種プラットフォームで容易に実装することが可能。 今後は、NISTの主催する公開研究会等において安全性や性能等の面から候補の比較が行われ、2012年にNISTにより次世代ハッシュ関数SHA-3が選定される予定。 http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2009/01/0115a.html