SCAN DISPATCH : パスワードクラック特許申請に疑問の声 | ScanNetSecurity
2024.04.26(金)

SCAN DISPATCH : パスワードクラック特許申請に疑問の声

SCAN DISPATCH は、アメリカのセキュリティ業界及ハッカーコミュニティから届いたニュースを、狭く絞り込み、深く掘り下げて掲載します。
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米アドビシステムズ社との戦いで有名なロシアのエルコムソフト社が、またニュースになっている。

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SCAN DISPATCH は、アメリカのセキュリティ業界及ハッカーコミュニティから届いたニュースを、狭く絞り込み、深く掘り下げて掲載します。
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米アドビシステムズ社との戦いで有名なロシアのエルコムソフト社が、またニュースになっている。

同社によると、CPUと、ビデオカードの GPU(Graphics Processing Unit) の両方を利用してパスワード・リカバリー・ソフトウエアを作動させ、効率を上昇する方法を「新しく発見し、これを特許申請した」そうだ。

Elcomsoft Distributed Password Recovery のバージョン2.0のハードウエア・アクセセレーションとして、GeForce 8のビデオカードを使用して今までの25倍以上の速度でパスワードをクラックできるらしい。

ビデオカードをこうした用途に使用するのは、確かに最近のことではある。古いビデオチップは浮動小数点計算しかできなかったが、暗号アルゴリズムのほとんどは、固定小数点計算が必要であった。また、最近のビデオチップには最高 1.5GB のビデオメモリに最高 128 のプロセス・ユニットが搭載されており、ハイエンドのマザーボードともなれば、4つのビデオカードを同時に使用できるため、パスワードクラッキングには、CPU よりも効率高く暗号計算ができのである。なによりも、今年2月に NVIDIA社が開発者用のキットをリリースしたというのが大きいだろう。

ところが、このエルコムソフト社の言い分には怪しいものがある。優秀な暗号学者やハッカーであれば、ビデオカードを使うという手段を何年も前に考えていたはずだ。そのため「何をいまさら特許?」という声が聞こえているのは確かだ。

ところで、Ophcrack という LMハッシュと NTLMハッシュのパスワードクラッカーがある。2005年に 2.1 がリリース、2.4 が最新のオープンソースプログラムで、マイクロソフトのパスワード強度チェッカーが「強い」と判定したパスワードを 160秒でクラックしてしまう。 Ophacrack のスピードは、ありとあらゆる文字と数字のコンビネーションのハッシュ値をテーブルにした…

【執筆:米国 笠原利香】

【セキュリティ用語解説】
パスワード(Password)とは
https://www.netsecurity.ne.jp/dictionary/password.html
クラッカー(Cracker)とは
https://www.netsecurity.ne.jp/dictionary/cracker.html
ハッシュ関数(Hash Function)とは
https://www.netsecurity.ne.jp/dictionary/hashfunction.html

【関連リンク】
ElcomSoft Co.Ltd.
http://www.elcomsoft.com/
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