5月4日、米国運輸保安庁(Transportation Security Administration:TSA)が、約10万人の職員の個人情報が入ったコンピュータのハードドライブを紛失したとAPが報じた。TSAは、空港や鉄道の駅をはじめ、米国の運輸・輸送システムの安全確保などを担当する連邦政府機関で、国土安全保障省に属している。業務の1つには、航空機の乗客のスクリーニングも含まれ、2001年の同時多発テロ以来、特にその重要性が注目された機関の1つだ。すなわち、国家の安全に非常に大きな意味を持つ機関からの情報漏洩事件であるため、重大視されている。TSAの発表では、外付けハードドライブが不明だと同庁が知ったのは5月3日のこと。場所は本部の“人的資源部門”、つまりは人事部だ。ハードドライブには、氏名、生年月日、社会保険番号、給与、給与からの控除、口座番号やルーティング番号などの金融機関の情報が入っていた。口座情報は2005年8月の時点のものだ。手当の受取人(本人以外)などについての情報はこのハードドライブには入っていなかった。被害を受けたのは2002年1月から2005年8月の間にTSAで勤務していた職員だ。空港での審査を行うセキュリティ・オフィサーや航空保安官の情報も含まれているという。ただし、この期間に、TSAからの委託業務を行っていたが、TSAには直接雇用されていなかったスタッフの情報については無事だった。ディスクが行方不明と分かって、TSAは直ちに上部機関である国土安全保障省およびFBIと財務省検察局などに連絡、捜査を開始している。さらに…【執筆:バンクーバー新報 西川桂子】──この記事には続きがあります。全文はScan Security Management本誌をご覧ください。◎有料版Scan申込> http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?m02_ssm