Kelly Martin(SecurityFocus)
2004年9月24日(金)11:32 GMT
国際
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Kelly Martin(SecurityFocus) 2004年9月24日(金)11:32 GMT
昨年、私は ID 窃盗に遭い、現代社会の恐ろしい現実を目の当たりにした。厚かましい犯人は、ソシアル・エンジニアリングを使って堅牢なセキュリティ・チェックをかいくぐり、私のクレジットカード会社、銀行そして私の投資勘定の一つが発行する残高報告書を手に入れたのだ。犯人は私のバックグラウンドや個人情報を入念に調べ上げ、私に成りすますことに成功したと思われる。そして次に、私の重要な財務諸表の郵送先住所を変更した。
これは、私にとって悲惨な経験だったが、オンライン社会という状況において説明するに値する事件だった。地元警察やカナダ騎馬警官隊に何度も出向いた結果、驚くべきことが分かった。それは、ID 窃盗はもはや稀な犯罪ではなく、この種の事件を日々処理する部署が法執行機関内に設置されているということだ。部署には、無料通話番号や Web サイトの他、事件が発生した際の処置手順を明確に記述した文書もある。しかし、それらの事件に対する彼らの実際の対応は、予想できる範囲のものだ。つまり、事件の通報を電話で受け、実際に会って事情聴衆を行う。そして伝統的な手法で捜査を行う。それは、依然として超アナログの世界なのである。
私が ID を取り戻す過程において、明白になったことがもう一つある。それは、警察は有能かもしれないが、オンライン上の ID 窃盗を追跡するにはあまりにも装備不足ということだ。やや被害妄想の気があるセキュリティ専門家である私だが、自分のオンライン ID は不正使用されないという自信があった。しかし、それは伝統的な手口により悪用されないということで、最近の洗練されたウイルスには通用しないのである。
全ての ID 窃盗がオンラインで始まるというわけではないが、現代社会においてオンラインの ID 窃盗が極めて容易であることは事実だ。電話をかけて ID を盗み出すという従来の手口よりスピードはアップし、改良されている。さらに、オンライン上で被害者を最初に攻撃するだけで致命的なダメージを与え、銀行やクレジットカード情報は後で入手できる。