日本電気株式会社(NEC)と情報通信研究機構(NICT)は、絶対的な安全性を物理法則で保証する量子暗号技術の独自方式を開発し、光ファイバーによる40km伝送で世界最速の暗号鍵生成レートとなる100kbps(従来比10倍)を達成したと発表した。量子暗号システムは、量子力学で不確定性原理と呼ばれる、単一光子などの極微の世界を支配する自然法則に基づき、単一光子の状態が測定前後で変化することを利用した技術。本技術は、独立行政法人 科学技術振興機構(JST)とNECが共同開発した低雑音光子検出器とNEC独自の交互シフト位相変調方式を用いた量子暗号システムの最適化を図ることで実現した。これにより、都市間ネットワークなど40kmを越える長距離の伝送が必要とされるネットワークでも、従来に比べ安定かつ高速な鍵交換性能を実現でき、都市内拠点間ネットワークのように、40km以下の場合では100kbpsを超える、より高速な鍵生成速度も可能となる。http://www.nec.co.jp/press/ja/0409/2703.html