SCAN 編集部では、読者を対象に内部情報漏洩に関するアンケート調査を実施した。 最近立て続けに発生した個人情報の漏洩を見るまでもなく、内部情報漏洩は企業にとってきわめて重要な課題である。 今回のアンケートではユーザ企業のシステム担当者を中心に内部情報漏洩問題に対する認識と対策の現状と今後について調査した。 今回はその解説の3回目である。その概要は下記である。 ここ1年くらいの期間で内部情報漏洩対策のツールとしてURLフィルタリングを導入する民間企業が増加している。今回の調査では、内部情報漏洩対策としてのURLフィルタリングについても質問を行った。 URLフィルタリングソフトの認知度(94%)は高く、導入意向は(39%、導入済含)となっている。認知度、導入意向も比較的高いといえる。 また、導入の目的としては「内部情報の漏洩など機密漏洩防止」(33%)がもっとも多く、最近の傾向と合致している。 導入していない理由としては「予算の問題」(31%)という回答が多く、担当者の危機感にも関わらずツールの導入が遅れている実態が見える。>> URLフィルタリングソフトの認知度(94%)は高く、導入意向は(39%、導入済含) URLフィルタリングソフトは一般的にはよからぬサイトへのアクセスを防止するソフトというイメージが強い。学校、官公庁などで内部利用者が外部のよからぬサイトにアクセスすることを予防する目的で導入しているケースは多い。 民間企業において内部情報漏洩などセキュリティ強化を目的として導入する動きがここ1年くらいの間に活発になってきている。 今回のアンケートでは企業のシステム担当者にURLフィルタリングに関する認知や導入意向などを確認している。 ・URLフィルタリングの認知度 知っている 94% 知らない 6% また、導入状況については、導入済みが25%、検討中が14%となっており、両方をあわせると39%となる。 ・導入状況について 導入している 25% 導入検討中である 14% 導入していない 61% (検討もしていない)>> URLフィルタリング導入の目的は「内部情報の漏洩など機密漏洩防止」33% URLフィルタリングソフトの導入の目的でもっとも多かった回答は「内部情報の漏洩など機密漏洩防止」(33%)となっており、最近の導入の傾向と一致している。ついで多いのは、「私的利用の制限」(27%)、「サイトへのアクセス制限」(21%)となっている。 ・導入の目的 内部情報の漏洩など機密漏洩 33% 私的利用の制限 27% サイトへのアクセス制限 21% (チャット、掲示板など好ましくないサイト)>> URLフィルタリングソフト導入の課題は予算 37% 導入していない回答者にその理由を尋ねたところ、もっとも多かったのは「担当ではない(のでわからない)」(37%)、ついで「予算の問題」(31%)となっている。回答者の多くはシステム担当者であるため、「担当ではない」という回答は、システム担当者以外がURLフィルタリングソフトの導入担当あるいは内部情報漏洩対策の担当になっていることを指していると思われる。 さらに、自社の内部情報漏洩対策をふじゅぶんと回答した回答者に絞ってみると「予算の問題」(25%)がもっとも多くなる。自社の内部情報漏洩対策に危機感を抱いている担当者でも予算の問題でURLフィルタリングを導入できていないケースが少なくないことがわかる。 ・導入していない理由 担当ではない 37% 予算の問題 31% 必要を感じない 20% くわしい内容を知らない 12%◇内部情報漏洩に関するアンケート調査結果 その1(2004.4.7) https://www.netsecurity.ne.jp/article/1/12744.html◇内部情報漏洩に関する調査結果(2) 24%が漏洩事故 原因は人的ミスと管理不行き届き(2004.4.14) https://www.netsecurity.ne.jp/article/1/12800.html関連資料ネットワークセキュリティインシデント年鑑 2004http://ns-research.jp/c2/shop/books/p-inc03.shtml──本記事は Scan Security Wire からの転載ですhttp://ns-research.jp/c2/shop/e-zine/ssw.shtml