◆概要: 中国で違法化されている瞑想教団Falun Gongの信徒が、中国のテレビ放送信号のハッキングに再度成功した。報道によれば、今回の事件は、Falun Gongのハッカーたちが山東省のテレビ放送の衛星信号をハイジャックしたものである。事件が発生したのは、2002年6月25日のプライムタイムであった。 また、同日には、北京で多数の電話機が鳴り、受話器を取るとFalun Gong が録音したメッセージが5分間流れ、投獄中のグループメンバーの拷問について詳しく説明した。さらに、6月30日には、Falun Gong がSinosat-1衛星を利用して、中国中央テレビの主要10チャンネルと地方局の10チャンネルのほとんどを約15分間ハッキングした。一部の識者は、ハッカーが特殊アンテナを装備した自動車を利用して探知を回避したものと推測している。 今年の3月5日には、Falun Gongの信徒7人が長春のケーブルテレビネットワークをハッキングし、同集団の宣伝を放送した罪で逮捕された。中国当局は、この事件について、2002年4月2日に発表を行った (ID# 108451, Apr. 3, 2002)。◆情報ソース:・ Vnunet.com (http://www.vnunet.com/News/1133117), July 01, 2002・ CNN (http://europe.cnn.com/2002/WORLD/asiapcf/east/04/02/china.falungong.ap/index.html), April 02, 2002・ China Daily (http://www.chinadaily.com.cn/highlights/falun/newsin.html), April 02, 2002◆キーワード: Hacktivists Incident: Crack Incident: Cyber protest Incident: Hack Religious Groups: Other Chinese hackers China ◆分析: (iDEFENSE 米国) この事件は、Falun Gongと中国政府との抗争が激化した結果であるとともに、Falun Gongメンバーの技術力の高度化を示している。ケーブルテレビのハッキング事件と同様に、衛星テレビ放送と北京での電話システムのハッキングの成功は、中国政府にとって大きな屈辱であろう。 3月のハッキングの成功によって、Falun Gongの他のメンバーがさらに大胆になり、中国内外の支持者が同様のハッキング行為を試みる可能性が指摘されていた(ID# 108451, April 3, 2002)。これが現実になった現在、同グループに対する政府の弾圧がさらに強まると思われる。しかし、中国政府が、次にとるべき措置を決めかねている可能性もある。Falun Gongハッカーの次の標的は不明である。さらなるハッキング行為の成功により、内部ハッカーから中国のインフラを保護できない中央政府の無力さが露呈する一方で、Falun Gongに対する容赦ない弾圧が国際的な批判を呼び、さらに大胆なハッキング行為を助長することになると思われる。※この情報はアイ・ディフェンス・ジャパン ( http://www.idefense.co.jp/ )より提供いただいております。 アイディフェンス社の iAlert サービスについて http://shop.vagabond.co.jp/p-alt01.shtml 情報の内容は以下の時点におけるものです。 【15:26 GMT、07、03、2002】