データ保護法の下、困惑するISP(Energis 社) | ScanNetSecurity
2024.04.25(木)

データ保護法の下、困惑するISP(Energis 社)

 英国に拠点を持つISP(インターネット・サービス接続会社)のEnergis 社と英国のウェブサイト管理者の間で諍いが発生している。事の発端は、Energis 社が管理するドメインからハッカーが前述の管理者John Chamberlain 氏のサイトに不正侵入を試みた形跡を発見したこと

国際 海外情報
 英国に拠点を持つISP(インターネット・サービス接続会社)のEnergis 社と英国のウェブサイト管理者の間で諍いが発生している。事の発端は、Energis 社が管理するドメインからハッカーが前述の管理者John Chamberlain 氏のサイトに不正侵入を試みた形跡を発見したことに始まる。Energis 社がその形跡を辿り“適切な措置”を講じたものの、犯人の氏名を明かすことを拒否したのだ。同社はその理由を「そのような情報を公開することはデータ保護法(DPA)に反するため」と述べている。それを受けてChamberlain 氏は「犯人の名前を入手するため、法的手段も検討している。私が運営するサイトalchemyproject.net の安全性に不備があった場合、それは私の責任になるだろう」と怒りを露にした。

 法律事務所Tarlo Lyons のインターネット関連専門のSimon Stokes 弁護士はこの件に関し、非常に曖昧な領域だと説明した「DPAの下、たとえEnergis 社の本意ではないにしても、ハッキングを試みた犯人の名前を隠蔽せざるおえない。他方、ハッキングはコンピュータ不正使用法に抵触する違法行為だ。従ってある意味では、Energis 社は犯人の名前を明かす義務がある」とし、データ保護法とコンピュータ不正使用法の間に明らかな対立があることを認めた。そしてStokes 弁護士は「仮に犯罪捜査が開始した場合、Energis 社は警察に情報を提供する義務を負う」と付け加えた。
《ScanNetSecurity》

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×