米連邦捜査局(FBI)は2月13日、物議を醸している電子メール監視システム『Carnivore』の名称を『DCS1000』に変更すると発表した。犯罪に関わる膨大な量の電子メールを傍受し解析する同システムは、インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)のコンピュータ内に設置され捜査対象者が送受信する全ての電子メールをスキャンする。FBI広報担当Paul Bresson氏は、同システムのアップグレードに伴い名称を変更したと説明。そして「Carnivore(肉食動物の意)という名前でなかったら、こんなに物議を醸さなかっただろう。新名称には特別な意味を持たないものを選んだ」と述べた。 しかし、名称を変更したからといって電子プライバシー情報センター(EPIC)を始めとするプライバシー擁護団体の懸念が和らぐわけではない。EPICの広報担当David Sobel氏は「人々が懸念しているのは名前ではなく、そのシステムのあり方そのものだ」と述べている。また、あるプライバシー専門家は「名称をDSC1000に変更したことで、公明正大とは言い難いFBIの体質が浮き彫りになり、人々の不安はさらに増幅された。なぜなら、多くの人がCarnivoreがどのようなシステムなのかを知っているのだから」と指摘した。 情報筋によると、Carnivorに対し世間の批判が高まるにつれ、FBIは名称の変更を強く望んでいたという。