早急な電子ビジネスの安全化が求められている中、Gartner社傘下の調査会社Dataquest社が世界のセキュリティ・ソフトウェア市場に関する調査を行った。同社が発表した報告書によると、2000年のセキュリティ・ソフトウェア市場規模は前年比22%増の32億ドルに達する見込みだ。そして、その成長率は少なくとも2004年まで維持され、67億ドルの市場規模にまで膨らむだろうと予測した。 また、1999年の同市場はアンチウイルス・ソフトが最大のシェアを誇っており全体の31%を占めている。アンチウイルス・ソフトの会社別で見ると、Network Assoiciates社が43.8%で1位、次いでSymantec社の33.8%そしてTrend Micro社の11.9%となっている。 Dataquest社の主任アナリストCarolyn DiCenzo氏は「インターネットは企業のコンピュータ・システムへの不正侵入や悪意あるコードの散布を企んでいる人たちに格好な機会をもたらした。他方、企業側はセキュリティ・システムの強化、拡充に追われている」と述べた。 さらに同報告書では、セキュリティ・ソフトウェア市場における傾向をいくつか指摘した。その一つは、Computer Associates社やTivoli社のようなセキュリティ関連の管理フレームワーク開発会社に注目が集まっていることだ。「インターネットおよび電子商取引アプリケーションが普及するにつれ、セキュリティへの関心は益々高まり、それらの開発会社のビジネス・チャンスはさらに増加するだろう」と同氏は予測した。また、Network Associates社の事業開発担当責任者Douglas Hurd氏は「セキュリティ・ソフトウェア市場が成長を続ける要因は“不安感”だ。セキュリティ不備があることは、今や周知の事実となっているのだから」と指摘した。