モスクワに拠点を置く情報技術セキュリティ専門会社Kaspersky Lab社は、感染したウェブページを訪れるやいなやユーザのPCも感染してしまう新型ウイルスに関する警告を発した。“Jer”と呼ばれるそのウイルスは、メリッサ・ウイルスやチェルノブイリ・ウイルスと比べ危険度は低い。理由は、そのウイルスには電子メールではなくチャットのみで拡散しようとするバグがあるためだ。同社のアンチウイルス研究部門の責任者Eugene Kaspersky氏は、仮にJerウイルスにそのような初歩的なエラーがなかったのなら、LOVEウイルスに匹敵する猛威を振るっただろう、と述べた。 Kaspersky氏によると、ウェブページがJerウイルスに感染すると、そのHTMLのページはスクリプト・プログラム(ウイルス自身)を保持することになり、ユーザがそのページを開くと自動的に作動する。次にユーザは、システムからその身元不明のスクリプトを実行するか否かの警告メッセージを受け取る。すると大抵のユーザが“Yes”のボタンを押してしまい、PCはウイルスに感染してしまうのだ。 最初にJerウイルスが確認されたのは7月2日、Geocitiesのウェブサーバー内にある『女性がベッドで失敗する40例』というタイトルのウェブページだった。そのサイトには、1日だけで1000人以上の訪問者があった。